1第三十条第一項(第四号を除く。第九項第一号において同じ。)、第三十条の二から第三十二条まで、第三十五条、第三十六条、第三十七条第三項、第三十七条の二(第一号を除く。次項において同じ。)、第三十八条第二項及び第四項、第四十一条から第四十三条まで、第四十四条(第二項を除く。)、第四十六条から第四十七条の二まで、第四十七条の四並びに第四十七条の五の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード、放送又は有線放送の利用について準用し、第三十条第三項及び第四十七条の七の規定は、著作隣接権の目的となつている実演又はレコードの利用について準用し、第三十三条から第三十三条の三までの規定は、著作隣接権の目的となつている放送又は有線放送の利用について準用し、第四十四条第二項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する。この場合において、第三十条第一項第三号中「自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信」とあるのは「送信可能化(国外で行われる送信可能化」と、「含む。)」とあるのは「含む。)に係る自動公衆送信」と、第四十四条第一項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項、第九十二条の二第一項、第九十六条の二、第九十九条第一項又は第百条の三」と、同条第二項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項、第九十二条の二第一項、第九十六条の二又は第百条の三」と、同条第三項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条の二第一項又は第九十六条の二」と読み替えるものとする。
2前項において準用する第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項若しくは第四十七条の規定又は次項若しくは第四項の規定により実演若しくはレコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(以下「実演等」と総称する。)を複製する場合において、その出所を明示する慣行があるときは、これらの複製の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、その出所を明示しなければならない。
3第三十三条の三第一項の規定により教科用図書に掲載された著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードを複製し、又は同項に定める目的のためにその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
4視覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で第三十七条第三項の政令で定めるものは、同項の規定により視覚著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードについて、複製し、又は同項に定める目的のために、送信可能化を行い、若しくはその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
5著作隣接権の目的となつている実演であつて放送されるものは、地域限定特定入力型自動公衆送信を行うことができる。ただし、当該放送に係る第九十九条の二第一項に規定する権利を有する者の権利を害することとなる場合は、この限りでない。
6前項の規定により実演の送信可能化を行う者は、第一項において準用する第三十八条第二項の規定の適用がある場合を除き、当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利を有する者に相当な額の補償金を支払わなければならない。
7前二項の規定は、著作隣接権の目的となつているレコードの利用について準用する。この場合において、前項中「第九十二条の二第一項」とあるのは、「第九十六条の二」と読み替えるものとする。
8第三十九条第一項又は第四十条第一項若しくは第二項の規定により著作物を放送し、又は有線放送することができる場合には、その著作物の放送若しくは有線放送について、これを受信して有線放送し、若しくは影像を拡大する特別の装置を用いて公に伝達し、又はその著作物の放送について、地域限定特定入力型自動公衆送信を行うことができる。
9次に掲げる者は、第九十一条第一項、第九十六条、第九十八条又は第百条の二の録音、録画又は複製を行つたものとみなす。
1 第一項において準用する第三十条第一項、第三十条の三、第三十一条第一項第一号、第二項第一号、第四項、第七項第一号若しくは第九項第一号、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二第二号、第四十一条、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四、第四十三条第二項、第四十四条第一項から第三項まで、第四十七条第一項若しくは第三項、第四十七条の二又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演、当該レコードに係る音若しくは当該放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の公衆への提示を行つた者
2 第一項において準用する第三十条の四の規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、当該実演等を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者
3 第一項において準用する第四十四条第四項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者
4 第一項において準用する第四十七条の四又は第四十七条の五第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者
5 第三十三条の三第一項又は第三十七条第三項に定める目的以外の目的のために、第三項若しくは第四項の規定の適用を受けて作成された実演若しくはレコードの複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演若しくは当該レコードに係る音の公衆への提示を行つた者
この条文が問われた枝 3問
正しい。影像を拡大する特別の装置を用いてテレビジョン放送を不特定多数の顧客に視聴させる行為は、100条の放送事業者の伝達権の対象であり、乙の著作隣接権の侵害となる。
著作権法100条は、放送事業者はそのテレビジョン放送又はこれを受信して行う有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有すると定める。放送事業者は放送番組の制作と送信に投資をしており、その放送を大型スクリーンのような特別の装置で多くの人に見せて集客する行為は、放送事業者の利益に直接関わるので、この場面に限って放送事業者に許諾権を与えたものである。居酒屋を経営する甲が、店内に影像を拡大する特別の装置を設置して不特定多数の顧客に野球中継のテレビ放送を視聴させる行為は、テレビジョン放送を特別の装置を用いて公に伝達することそのものである。しかも営利の店舗での伝達であるうえ、仮に非営利無料であっても38条3項は102条1項で著作隣接権に準用されていない。したがって乙の許諾がなければ著作隣接権の侵害となり、枝は正しい。

放送事業者は、そのテレビジョン放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する。
| 実演家 | レコード製作者 | 放送事業者 | |
|---|---|---|---|
| 固定・複製 | 録音権・録画権(91条。写真は含まない) | 複製権(96条) | 複製権(98条。写真を含む) |
| 放送・有線放送 | 放送権・有線放送権(92条) | 許諾権はなく二次使用料(97条)だけである | 再放送権・有線放送権(99条) |
| 送信可能化 | 92条の2 | 96条の2 | 99条の2 |
| 譲渡・貸与 | 95条の2・95条の3(商業用レコードだけ) | 97条の2・97条の3(商業用レコードだけ) | ない |
| 公への伝達・演奏 | ない | ない | テレビジョン放送の伝達権(100条。特別の装置だけ) |
| 人格権 | 氏名表示権・同一性保持権 | ない | ない |
誤り。違うのは「非営利かつ無料で行われる行為であれば、乙の著作隣接権の侵害とならない」の部分である。非営利無料の伝達を許す38条3項は著作権の制限規定で、102条1項は著作隣接権に準用していない。
著作権法100条は、放送事業者がそのテレビジョン放送を受信して影像を拡大する特別の装置を用いて公に伝達する権利を専有すると定める。38条3項は、放送される著作物を営利を目的とせず聴衆又は観衆から料金を受けない場合に受信装置を用いて公に伝達できると定めるが、これは著作者の公衆伝達権を制限する規定であり、著作隣接権への準用を定める102条1項が挙げるのは38条2項及び4項であって、3項は含まれていない。著作者との関係で非営利無料の伝達を自由にした趣旨は、放送事業者の伝達権には持ち込まれていないのである。大学の設置者が構内に影像を拡大する特別の装置を設置して不特定多数の学生及び教職員に放送を視聴させる行為は、100条の伝達権の対象そのものであるから、非営利かつ無料であっても乙の許諾がなければ著作隣接権の侵害となる。したがって侵害とならないとする枝は誤りである。放送される著作物の著作者との関係では38条3項で自由になる点が対比になる。

放送され、有線放送され、特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等(放送又は有線放送が終了した後に開始されるものを除く。)が行われる著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。
誤り。違うのは「乙の許諾を得ることなく、学校教育の目的上必要な範囲で、有線放送することができる」の部分である。学校教育番組の放送等を許す34条は102条1項で著作隣接権に準用されておらず、乙の有線放送権が働く。
99条1項は、放送事業者はその放送を受信してこれを再放送し、又は有線放送する権利を専有すると定める。著作隣接権の制限は102条1項が著作権の制限規定のうち準用するものを列挙する形で定めており、30条1項、30条の2から32条まで、35条、36条などが並ぶが、34条はこの中に含まれていない。34条1項は、公表された著作物を学校教育の目的上必要と認められる限度で学校向けの放送番組において放送・有線放送することを許す規定であって、著作物の利用についての制限である。放送番組そのものを学校教育用に流す行為については、著作物の利用は34条で許されても、放送事業者の有線放送権までは制限されない。したがって甲が乙の放送番組を有線放送するには、学校教育の目的上必要な範囲であっても乙の許諾を要する。著作権の制限がそのまま隣接権に及ぶわけではなく、102条1項の列挙で決まる点が決め手である。

放送事業者は、その放送を受信してこれを再放送し、又は有線放送する権利を専有する。

