1著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
2前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
3利用権(第一項の許諾に係る著作物を前項の規定により利用することができる権利をいう。次条において同じ。)は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。
4著作物の放送又は有線放送についての第一項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音又は録画の許諾を含まないものとする。
5著作物の放送又は有線放送及び放送同時配信等について許諾(第一項の許諾をいう。以下この項において同じ。)を行うことができる者が、特定放送事業者等(放送事業者又は有線放送事業者のうち、放送同時配信等を業として行い、又はその者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が業として行う放送同時配信等のために放送番組若しくは有線放送番組を供給しており、かつ、その事実を周知するための措置として、文化庁長官が定める方法により、放送同時配信等が行われている放送番組又は有線放送番組の名称、その放送又は有線放送の時間帯その他の放送同時配信等の実施状況に関する情報として文化庁長官が定める情報を公表しているものをいう。以下この項において同じ。)に対し、当該特定放送事業者等の放送番組又は有線放送番組における著作物の利用の許諾を行つた場合には、当該許諾に際して別段の意思表示をした場合を除き、当該許諾には当該著作物の放送同時配信等(当該特定放送事業者等と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送番組又は有線放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を含むものと推定する。
6著作物の送信可能化について第一項の許諾を得た者が、その許諾に係る利用方法及び条件(送信可能化の回数又は送信可能化に用いる自動公衆送信装置に係るものを除く。)の範囲内において反復して又は他の自動公衆送信装置を用いて行う当該著作物の送信可能化については、第二十三条第一項の規定は、適用しない。
この条文が問われた枝 1問
誤り。違うのは「著作権者の承諾を得た場合でも、その著作物を利用する権利を第三者に譲渡することはできない」の部分である。63条3項は著作権者の承諾を得ない限り譲渡できないと定めるから、承諾があれば譲渡できる。
著作権法63条1項は、著作権者は他人に対しその著作物の利用を許諾することができると定め、同条3項は、許諾に係る著作物を利用することができる利用権は、著作権者の承諾を得ない限り譲渡することができないと定める。利用許諾は著作権者が相手を選んで利用を認める契約であり、許諾を受けた者が勝手に第三者に利用権を移せば、著作権者が意図しない者に著作物を利用されることになるため、譲渡に著作権者の承諾を要求したものである。裏返せば、著作権者が承諾すれば利用権を第三者に譲渡することは妨げられない。したがって、著作権者の承諾を得た場合でも譲渡できないとする枝は、63条3項の定めと逆である。出版権についても、出版権者が他人に複製や公衆送信を許諾するには複製権等保有者の承諾が要る(80条3項)という同じ仕組みが取られている。

利用権(第一項の許諾に係る著作物を前項の規定により利用することができる権利をいう。次条において同じ。)は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。
| 利用許諾(63条) | 出版権(79条〜88条) | |
|---|---|---|
| 設定する者 | 著作権者 | 複製権等保有者(複製権又は公衆送信権を有する者) |
| 権利の性質 | 許諾の範囲内で利用できる利用権で、排他性はない | 原作のまま複製・公衆送信する権利を専有する排他的な権利である |
| 差止請求 | できない(112条1項に挙がっていない) | 出版権者として自ら請求できる |
| 譲渡・再許諾 | 著作権者の承諾があれば譲渡できる(63条3項) | 再許諾には複製権等保有者の承諾が要る(80条3項) |
| 第三者対抗 | 登録なしで対抗できる(63条の2) | 設定の登録が対抗要件である(88条1項1号) |










