放送事業者は、その放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、その放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。
この条文が問われた枝 1問
誤り。違うのは「当該再度の放送については、著作隣接権は発生しない」の部分である。放送事業者の著作隣接権は個々の放送行為について生じ、101条1項3号によりその放送を行った時に始まるから、同一番組の再放送にも新たに発生する。
放送事業者は89条3項により98条から100条までの権利を享有し、101条1項3号は放送に関する著作隣接権の存続期間がその放送を行った時に始まると定める。9条が保護を受ける放送を日本国民である放送事業者の放送や国内にある放送設備から行われる放送として定めているように、著作隣接権の対象となるのは放送という送信行為そのものであって、放送される番組の内容ではない。番組の内容は映画の著作物などとして別に著作権で保護され、放送事業者の権利はそれを公衆に送信するという行為に対する投資を守るためのものである。同じ番組を再度放送すれば、それは新たな放送行為であるから、そこに新たな著作隣接権が生じ、存続期間もその放送を行った時から別に始まる。枝は権利の対象を番組の内容と捉えており、初回の放送で権利が尽きるとしている点が条文の仕組みとずれている。

放送に関しては、その放送を行つた時
| 実演家 | レコード製作者 | 放送事業者 | |
|---|---|---|---|
| 固定・複製 | 録音権・録画権(91条。写真は含まない) | 複製権(96条) | 複製権(98条。写真を含む) |
| 放送・有線放送 | 放送権・有線放送権(92条) | 許諾権はなく二次使用料(97条)だけ | 再放送権・有線放送権(99条) |
| 送信可能化 | 92条の2 | 96条の2 | 99条の2 |
| 譲渡・貸与 | 95条の2・95条の3(商業用レコードだけ) | 97条の2・97条の3(商業用レコードだけ) | ない |
| 公への伝達・演奏 | ない | ない | テレビジョン放送の伝達権(100条。特別の装置だけ) |
| 人格権 | 氏名表示権・同一性保持権 | ない | ない |
| 存続期間 | 実演時から、翌年起算70年 | 最初の固定時から、発行の翌年起算70年 | 放送時から、翌年起算50年 |





