有線放送事業者は、その有線放送を受信して、その有線放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。
第100条の2複製権
第100条の3放送権及び再有線放送権
有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを放送し、又は再有線放送する権利を専有する。
第100条の4送信可能化権
有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを送信可能化する権利を専有する。
第100条の5有線テレビジョン放送の伝達権過去問 1
有線放送事業者は、その有線テレビジョン放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその有線放送を公に伝達する権利を専有する。
この条文が問われた枝 1問
フィットネスクラブを経営する甲が、店内に小型モニタを複数設置し、不特定多数の顧客に対して、受信した放送事業者乙のケーブルテレビ放送であるスポーツ中継を視聴させることは、乙の著作隣接権の侵害となる。

解説
誤り。違うのは「乙の著作隣接権の侵害となる」の部分である。放送事業者の伝達権は影像を拡大する特別の装置を用いた公の伝達だけに及び、小型モニタはこれに当たらない。
著作権法100条は、放送事業者はそのテレビジョン放送又はこれを受信して行う有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有すると定める。著作者の公衆伝達権(23条2項)が受信装置を用いた公の伝達を広く対象とするのに対し、放送事業者の伝達権は、大型スクリーンのように放送を受信して多くの人に見せるための特別の装置を使う場合に限って放送事業者の利益を守るもので、通常のテレビ受像機や小型モニタでの視聴まで放送事業者に止めさせる趣旨ではない。フィットネスクラブが店内に小型モニタを複数設置して顧客に放送を視聴させる行為は、営利の店舗で不特定多数に見せていても、影像を拡大する特別の装置を用いていないから100条の伝達権の対象にならず、放送事業者の複製権、再放送権・有線放送権、送信可能化権のいずれにも当たらない。したがって乙の著作隣接権の侵害となるとする枝は誤りである。

著作権法100条
放送事業者は、そのテレビジョン放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する。