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画像意匠の保護範囲(2条1項・2条2項3号)がぞういしょうのほごはんい

意匠 第1章 意匠の定義と総則 短答で19枝

画像意匠の保護範囲とは、意匠法が意匠として保護する画像を、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限る2条1項のかっこ書きと、その画像の実施を作成・使用・提供と画像記録媒体等の譲渡等とする2条2項3号が定める、画像の意匠が守られる範囲です。令和元年改正で、物品から離れた画像そのものが意匠になりました。

スマートフォンのアイコンの並びや、壁に投影される時計の表示は、機器から離れてもデザインとして価値があります。以前は画像を物品の部分としてしか守れませんでしたが、令和元年改正は画像そのものを意匠に加えました。ただし、映画やゲームの一場面まで意匠にすると著作権との重なりが大きくなるので、2条1項のかっこ書きは、機器の操作の用に供される画像と、機器がその機能を発揮した結果として表示される画像に限っています。この限定がどこに及び、どこで外れるかが中心です。

特許庁の審査室の場面。先生が審査官役(札「審査官」)で机に座り、机の上に三枚の紙を並べている。左の紙はスマートフォンの画面にアイコンが並ぶ絵と札「操作画像:機器の操作の用に供されるもの」、中央の紙は壁に投影された時計の表示の絵と札「表示画像

画像の意匠は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られ、表示される場所は問いません

2条1項は、画像を「機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り」ます。前者を操作画像、後者を表示画像と呼びます。どこに表示されるかは限定していないので、「DVD録画再生機の録画再生の操作の用に供される画像であり、かつテレビ画面上に表示される画像」は意匠登録を受けることができるという枝は正しく、表示画像は「当該機器又はこれと一体として用いられる機器の表示部に表示される場合に限り」意匠登録を受けることができるという枝は誤りです。令和元年改正前は、物品の操作の用に供される画像で、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものだけが、物品の部分として保護されていました。デジタルカメラの撮影の操作に係る画像が「メガネ型入力機器の操作の用に供される画像として意匠登録を受けることができる」という平成29年度の枝は、その画像がデジタルカメラの操作画像であることを理由に、当時の法で誤りとされています。

登録要件で引用する公知の画像は2条1項の限定を受けませんが、不登録事由の5条2号には限定が及びます

2条1項のかっこ書きは、限定を外す条文として「次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号」を列挙しています。3条2項の創作非容易性は公知の「形状等又は画像」に基づく容易創作を問うので、引用する画像はどんな画像でもよく、「拒絶理由として引用される日本国内において公然知られた画像は」操作画像・表示画像に限られないという枝は正しいです。一方、3条1項は列挙にないので、同項の「意匠」は2条1項の意匠であり、3条1項1号の「日本国内において公然知られた画像の意匠は」限られないという枝は誤りです(公知の画像を引用して新規性を否定すること自体は、審査基準が物品の表示部に表された画像なども基礎資料にするとしているので、画像の意匠として引用されないという意味ではありません)。5条2号も列挙にないので、「他人の業務に係る画像は、機器の操作の用に供される画像又は機器がその機能を発揮した結果として表示される画像に限られる」という枝は正しいです。侵害の場面では限定が外れ、「廃棄請求の対象となる侵害の行為を組成した画像は」操作画像・表示画像に限られるという枝は誤りで、38条7号及び8号で「間接侵害行為の対象とされる画像は」限られないという枝は正しいです。

特許庁の窓口の場面。先生が審査官役(札「審査官」)でカウンターの内側に立ち、背後の壁に二枚の大きな看板が掛かっている。左の看板「限定が及ぶ:3条1項の意匠・5条2号 他人の業務に係る画像・登録を受けようとする画像」、右の看板「限定が外れる:
  • 限定が及ぶ条文3条1項(新規性の「意匠」)、5条2号(他人の業務に係る画像)、登録を受けようとする画像そのものです
  • 限定が外れる条文3条2項(創作非容易性の引用画像)、37条2項(廃棄請求の対象)、38条7号・8号(間接侵害の対象)、44条の3第2項6号、55条2項6号です

画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠は登録を受けられませんが、物品の形状との組み合わせは「のみ」に当たりません

5条3号は、物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとって不可欠な形状のみからなる意匠、又は画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠を不登録事由とします。画像の意匠が「画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠である場合は」意匠登録を受けることができないという枝は正しいです。「のみ」が要件なので、「画像の用途にとって不可欠な表示と物品の機能を確保するために不可欠な形状とを組み合わせて創作した意匠」が5条3号に当たり登録を受けることができないという枝は誤りです。

願書には画像の用途を書き、変化する画像はその旨と機能の説明を書きますが、画像の大きさを書く規定はありません

6条1項3号により、願書には「意匠に係る物品又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途」を書きます。物品は物品名で足りますが、画像は何に使う画像かを用途で特定します。画像がその機能に基づいて変化する場合に、変化の前後にわたる画像について意匠登録を受けようとするときは、「その旨及びその画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない」という枝は正しく(6条4項)、「その画像の当該機能の説明のみを願書に記載しなければならない」と意匠法に規定されているという枝は誤りです。材質又は大きさを願書に書く6条3項は「意匠に係る物品又は建築物」だけを対象にしているので、「路面に投影される画像について意匠登録を受けようとする場合」に画像の大きさを願書に記載しなければならないという枝も、図面によっては通常の知識を有する者が画像の大きさを理解できないときは「その意匠に係る画像の大きさを願書に記載しなければならない」という枝も誤りです。

特許庁の出願窓口の場面。先生が審査官役(札「審査官」)でカウンターの内側に座り、出願人の男性(札「出願人」)が差し出した願書を見ている。願書には欄「画像の用途:時刻表示用画像」と欄「画像の大きさ:縦2m×横3m」が書かれ、「画像の大きさ」の

画像の実施は作成・使用・提供と画像記録媒体等の譲渡等で、提供のための保有も侵害とみなされます

2条2項3号は、画像の意匠の実施を、画像の作成、使用又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為(イ)と、画像を記録した記録媒体又は内蔵する機器(画像記録媒体等)の譲渡、貸渡し、輸出若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為(ロ)とします。この画像には、その画像を表示する機能を有するプログラム等が含まれます。さらに38条9号は、登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像を業としての電気通信回線を通じた提供のために保有する行為を侵害とみなすので、類似する画像を「電気通信回線を通じた提供のために保有している」だけでは間接侵害に当たらないという枝は誤りです。

意匠法2条1項

この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

意匠法6条3項

第一項第三号の意匠に係る物品若しくは意匠に係る建築物の用途の記載又は願書に添付した図面、写真若しくはひな形によつてはその意匠の属する分野における通常の知識を有する者がその意匠に係る物品又は建築物の材質又は大きさを理解することができないためその意匠を認識することができないときは、その意匠に係る物品又は建築物の材質又は大きさを願書に記載しなければならない。

意匠法6条4項

意匠に係る物品の形状、模様若しくは色彩、建築物の形状、模様若しくは色彩又は画像がその物品、建築物又は画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたるその物品の形状等、建築物の形状等又は画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその物品、建築物又は画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。

試験ではこう問われる

  1. 画像は操作画像と表示画像に限るが、表示される場所は限定しない。テレビ画面に表示される操作画像は登録を受けられ、「表示部に表示される場合に限り」という枝は誤り
  2. 令和元年改正前は物品の操作画像だけが物品の部分として保護された。平成29年度以前の枝は当時の法で読む
  3. 3条2項で引用する公知の画像に限定はない。「拒絶理由として引用される日本国内において公然知られた画像は」限られないという枝は正しい
  4. 3条1項1号の「公然知られた画像の意匠」は2条1項の意匠なので限定が及ぶ。限られないという枝は誤り
  5. 5条2号の「他人の業務に係る画像」には限定が及ぶ。37条2項・38条7号8号の画像には限定がない
  6. 5条3号は「のみ」が要件。不可欠な表示と不可欠な形状を「組み合わせて創作した意匠」が当然に当たるという枝は誤り
  7. 変化する画像は「その旨及びその画像の当該機能の説明」を願書に書く。機能の説明のみという枝は誤り。画像の大きさを願書に書く規定はない(6条3項は物品・建築物だけ)
  8. 類似する画像を「電気通信回線を通じた提供のために保有している」行為は38条9号で侵害とみなされる

この用語が問われた枝

令和2年度 問21 枝ロ正しい

DVD録画再生機の録画再生の操作の用に供される画像であり、かつテレビ画面上に表示される画像は、意匠登録の対象として意匠登録を受けることができる。

令和2年度 問21 枝ホ誤り

機器がその機能を発揮した結果として表示される画像は、当該機器又はこれと一体として用いられる機器の表示部に表示される場合に限り、意匠登録の対象として意匠登録を受けることができる。

平成29年度 問21 枝ホ誤り

視線移動やまばたきなどを感知し、その信号を送るメガネ型入力機器により、撮影機能を発揮させるための操作に係る画像が表されたデジタルカメラの操作を行うことができる場合がある。この場合、当該画像は、メガネ型入力機器と一体として用いられる物品に表示される画像であるから、メガネ型入力機器の操作の用に供される画像として意匠登録を受けることができる。

令和5年度 問21 枝イ誤り

画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第1項第1号の日本国内において公然知られた画像の意匠は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。

枝ごとの解説と条文は肢別演習で読めます。

意匠を肢別演習で解く

この用語で問われた枝を、解説つきでそのまま解けます。

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