1議定書第六条(4)の規定により日本国を指定する国際登録の対象であつた商標について、当該国際登録において指定されていた商品又は役務の全部又は一部について当該国際登録が取り消されたときは、当該国際登録の名義人であつた者は、当該商品又は役務の全部又は一部について商標登録出願をすることができる。
2前項の規定による商標登録出願は、次の各号のいずれにも該当するときは、同項の国際登録の国際登録の日(同項の国際登録が事後指定に係るものである場合は当該国際登録に係る事後指定の日)にされたものとみなす。
1 前項の商標登録出願が同項の国際登録が取り消された日から三月以内にされたものであること。
2 商標登録を受けようとする商標が前項の国際登録の対象であつた商標と同一であること。
3 前項の商標登録出願に係る指定商品又は指定役務が同項の国際登録において指定されていた商品又は役務の範囲に含まれていること。
3第一項の国際登録に係る国際商標登録出願についてパリ条約第四条の規定による優先権が認められていたときは、同項の規定による商標登録出願に当該優先権が認められる。
4第一項の国際登録に係る国際商標登録出願について第九条の三又は第十三条第一項において読み替えて準用する特許法第四十三条の三第二項の規定による優先権が認められていたときも、前項と同様とする。
5第一項の規定による商標登録出願についての第十条第一項の規定の適用については、同項中「商標登録出願の一部」とあるのは、「商標登録出願の一部(第六十八条の三十二第一項の国際登録において指定されていた商品又は役務の範囲に含まれているものに限る。)」とする。
6第一項の規定による商標登録出願をする者がその責めに帰することができない理由により第二項第一号に規定する期間内にその出願をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその出願をすることができる。
7前項の規定によりされた商標登録出願は、第二項第一号に規定する期間が満了する時にされたものとみなす。
この条文が問われた枝 5問
誤り。違うのは「登録料が納付されない限り、商標権の設定登録を受けることができない」の部分である。セントラルアタック後の再出願は、国際登録の日から10年以内に登録査定又は審決があれば、18条2項にかかわらず登録料の納付無しに設定の登録がされる(68条の35)。
68条の32第1項は、議定書6条(4)の規定により日本国を指定する国際登録が取り消されたときは、その名義人であった者が取り消された商品又は役務について商標登録出願をすることができると定め、68条の35は、この出願については「当該出願に係る国際登録の国際登録の日(国際登録の存続期間の更新がされているときは、直近の更新の日)から十年以内に商標登録をすべき旨の査定又は審決があつたときは、第十八条第二項の規定にかかわらず、商標権の設定の登録をする」と定める。名義人は個別手数料を納めて日本での保護を受けていたのに、本国の基礎出願等の失効という事情で国際登録を失ったにすぎない。そこで再出願について、もとの国際登録の存続期間に当たる10年以内に登録査定があれば、改めて登録料を納めさせずに設定の登録をすることにした。したがって登録料の納付は設定登録の要件ではなく、枝は通常の出願の18条2項をそのまま当てはめた点で誤りである。

第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願については、当該出願に係る国際登録の国際登録の日(国際登録の存続期間の更新がされているときは、直近の更新の日)から十年以内に商標登録をすべき旨の査定又は審決があつたときは、第十八条第二項の規定にかかわらず、商標権の設定の登録をする。
| 通常の商標登録出願 | 旧国際登録に係る商標権の再出願 | |
|---|---|---|
| 15条1号・2号(登録要件・条約) | 適用する | 適用しない(68条の34第2項) |
| 15条3号(5条5項・6条) | 適用する | 適用する |
| 設定の登録 | 登録料の納付があったとき(18条2項) | 国際登録の日から10年以内に査定又は審決があれば登録料無しでされる(68条の35) |
| 存続期間 | 設定の登録の日から10年(19条1項) | 国際登録の日(更新があれば直近の更新の日)から10年(68条の36) |
| 登録異議の申立て | 商標掲載公報の発行の日から2月以内 | もとの登録について申立て無く期間が過ぎていれば対象にならない(68条の37) |
| 無効審判の除斥期間 | 設定の登録の日から5年 | もとの登録について請求できなくなっていれば請求できない(68条の39) |
正しい。68条の32第1項により、国際登録の取消し後の商標登録出願をすることができるのは当該国際登録の名義人であった者に限られ、この要件を満たさない出願は68条の34第1項で読み替えた15条により拒絶の理由が通知される。
68条の32第1項は、議定書6条(4)の規定により日本国を指定する国際登録の対象であった商標について、当該国際登録が指定されていた商品又は役務の全部又は一部について取り消されたときは、当該国際登録の名義人であった者は、当該商品又は役務の全部又は一部について商標登録出願をすることができると定める。セントラルアタックで国際登録が取り消された名義人を救済する制度であるから、出願人は国際登録の名義人であった者に限られ、同条2項の要件を満たせばその出願は国際登録の日にされたものとみなされる。そして68条の34第1項は、この出願についての15条の適用について、15条各号のいずれかに該当するときのほか、出願が68条の32第1項若しくは2項各号に規定する要件を満たしていないときも拒絶をすべき旨の査定をしなければならないと読み替える。拒絶の査定をするには15条の2により拒絶の理由を通知して意見書を提出する機会を与えなければならないので、名義人であった者と同一人でない出願人には、まず拒絶の理由が通知される。

議定書第六条(4)の規定により日本国を指定する国際登録の対象であつた商標について、当該国際登録において指定されていた商品又は役務の全部又は一部について当該国際登録が取り消されたときは、当該国際登録の名義人であつた者は、当該商品又は役務の全部又は一部について商標登録出願をすることができる。
- 出願人:取り消された国際登録の名義人であった者である
- 期間:国際登録が取り消された日から3月以内である
- 商標:国際登録の対象であった商標と同一であることを要する
- 商品又は役務:国際登録において指定されていた商品又は役務の範囲に含まれていることを要する
- 効果:国際登録の日(事後指定に係るものは事後指定の日)にされたものとみなされる。要件を満たさないときは68条の34第1項で読み替えた15条の拒絶理由になる
正しい。68条の32第3項は、国際商標登録出願についてパリ条約4条の優先権が認められていたときは再出願に当該優先権が認められると定めており、改めて優先権を主張する書面の提出は要らない。
68条の32第3項は、同条1項の国際登録に係る国際商標登録出願についてパリ条約4条の規定による優先権が認められていたときは、同項の規定による商標登録出願に当該優先権が認められると定める。通常の商標登録出願で優先権の利益を受けるには、13条1項で準用する特許法43条1項により、その旨並びに最初に出願をしたパリ条約の同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面を出願と同時に特許庁長官に提出しなければならないが、国際商標登録出願の段階で優先権の主張は国際事務局を通じて既にされ、日本で認められていたのであるから、再出願でその手続を繰り返させる必要はない。議定書9条の5も、国際登録が優先権を有していたときは取消し後の出願が同一の優先権を有すると定めており、68条の32第3項はこれを受けた規定である。したがって改めて優先権主張の書面を提出する必要はない。

第一項の国際登録に係る国際商標登録出願についてパリ条約第四条の規定による優先権が認められていたときは、同項の規定による商標登録出願に当該優先権が認められる。
正しい。68条の36第1項は、再出願に係る商標権の存続期間を国際登録の日(更新がされているときは直近の更新の日)から10年をもって終了すると定め、2項で19条1項を適用しない。
68条の35は、68条の32第1項又は68条の33第1項の規定による商標登録出願について、当該出願に係る国際登録の国際登録の日(国際登録の存続期間の更新がされているときは直近の更新の日)から十年以内に商標登録をすべき旨の査定又は審決があったときは、18条2項の規定にかかわらず商標権の設定の登録をすると定め、68条の36第1項は、その商標権の存続期間は当該出願に係る国際登録の国際登録の日(更新がされているときは直近の更新の日)から十年をもって終了すると定め、2項で19条1項を適用しないとする。再出願は取り消された国際登録に基づく日本での保護を国内の商標権として引き継ぐ手続であるから、存続期間も設定の登録の日からではなく国際登録の日又は直近の更新の日を起点にして、もとの保護の期間と揃えている。

前条に規定する商標権の存続期間は、当該出願に係る国際登録の国際登録の日(当該国際登録の存続期間の更新がされているときは、直近の更新の日)から十年をもつて終了する。
正しい。68条の32第2項1号は国際登録が取り消された日から3月以内の出願を出願日遡及の要件とし、68条の33第2項は議定書廃棄後の再出願についてこれを廃棄の効力が生じた日から2年以内と読み替える。
68条の32第2項は、セントラルアタックで国際登録が取り消された後の同条1項の商標登録出願が、同項の国際登録が取り消された日から三月以内にされたものであることなど各号のいずれにも該当するときは、国際登録の日(事後指定に係るものは事後指定の日)にされたものとみなすと定める。68条の33第1項は、議定書15条(5)(b)により国際登録の名義人が国際出願をする資格を有する者でなくなったときにも名義人であった者が商標登録出願をすることができるとし、同条2項は68条の32第2項から7項までを準用したうえで、同条2項1号の「同項の国際登録が取り消された日から三月以内」を「議定書第十五条(3)の規定による廃棄の効力が生じた日から二年以内」と読み替える。二つの期間はいずれも議定書の定めに合わせたもので、枝は条文のとおりである。

前条第二項から第七項までの規定は、前項の規定による商標登録出願に準用する。この場合において、同条第二項第一号中「同項の国際登録が取り消された日から三月以内」とあるのは、「議定書第十五条(3)の規定による廃棄の効力が生じた日から二年以内」と読み替えるものとする。
- 出願人:取り消された国際登録の名義人であった者である
- 期間:国際登録が取り消された日から3月以内である(責めに帰することができない理由があれば、理由がなくなった日から14日、在外者は2月以内で、かつ期間経過後6月以内)
- 商標:国際登録の対象であった商標と同一であることである
- 商品又は役務:国際登録において指定されていた商品又は役務の範囲に含まれていることである
- 効果:国際登録の日(事後指定に係るものは事後指定の日)にされたものとみなされる
- 議定書の廃棄後(68条の33):期間は廃棄の効力が生じた日から2年以内に読み替える



