1商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
2商標権者は、役務に係る登録商標が自己の業務に係る指定役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定役務及びこれに類似する役務以外の役務又は指定役務に類似する商品以外の商品について他人が登録商標の使用をすることによりその役務又は商品と自己の業務に係る指定役務とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある役務又は商品について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
3地域団体商標に係る商標権に係る防護標章登録についての前二項の規定の適用については、これらの規定中「自己の」とあるのは、「自己又はその構成員の」とする。
この条文が問われた枝 6問
誤り。違うのは「当該登録商標と類似しない商標の使用にまで商標権の効力を及ぼす制度」の部分である。防護標章登録で広がるのは商品又は役務の範囲であり、標章は登録商標と同一のものに限られる。
64条1項は、商標権者は、登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合に、指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることにより混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができると定める。著名な登録商標は非類似の商品や役務に使われても出所の混同を生じさせるため、37条1号の禁止権が届かない非類似の商品又は役務にまで保護を広げる必要がある一方、標章まで広げると権利の範囲が不明確になるから、標章は登録商標と同一のものに限ったのである。67条が侵害とみなすのも、防護標章登録に係る指定商品又は指定役務についての登録防護標章の使用などに限られる。したがって類似しない商標の使用にまで効力を及ぼす制度ではない。

商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
| 商標権(25条・37条1号) | 防護標章登録に基づく権利(67条) | |
|---|---|---|
| 商品又は役務 | 指定商品又は指定役務とこれに類似するもの | 防護標章登録に係る指定商品又は指定役務だけ |
| 標章 | 登録商標とこれに類似する商標 | 登録防護標章と同一の標章だけ |
| 要件 | 登録で発生する | 登録商標が需要者の間に広く認識されていること、混同のおそれ |
正しい。64条1項が防護標章登録の主体とするのは商標権者であり、登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして広く認識されていることを求めるから、専用使用権者は登録を受けることができない。
64条1項は、商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、指定商品及びこれに類似する商品以外の商品等について他人が登録商標の使用をすることにより混同を生ずるおそれがあるときは、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができると定める。防護標章登録に基づく権利は商標権に付随する権利であり、商標権の分割や移転に従い、商標権が消滅すれば消滅するから、商標権者以外の者に与えることを予定していない。専用使用権者はその範囲で登録商標を独占的に使用できるにすぎず、登録商標が専用使用権者の業務に係る商品を表示するものとして周知になったとしても、64条1項の要件を満たす商標権者が出願するほかない。枝のとおり、専用使用権者自身が防護標章登録を受けることはできない。

商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
- 主体:商標権者である。専用使用権者・通常使用権者は受けられない
- 周知性:登録商標が自己(地域団体商標は自己又はその構成員)の業務に係る指定商品又は指定役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていること
- 混同のおそれ:指定商品又は指定役務に類似しない商品又は役務について他人が登録商標の使用をすると、自己の業務に係る指定商品又は指定役務と混同を生ずるおそれがあること
- 標章:登録商標と同一の標章に限る。類似の標章は受けられない
正しい。64条1項が求めるのは、他人の使用に係る商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあることであり、登録商標の全ての指定商品との間で混同のおそれがあることまでは求めていない。
64条1項は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、指定商品及びこれに類似する商品以外の商品等について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について防護標章登録を受けることができると定める。防護標章登録は、周知になった登録商標の出所表示機能を、商標権の効力が及ばない非類似の商品又は役務にまで守るための制度であるから、問題になるのは周知な指定商品と他人の使用する商品又は役務との間の混同であり、登録商標に複数の指定商品があっても、その全てについて混同のおそれがあることは条文上の要件になっていない。周知性を獲得した指定商品との間で混同を生ずるおそれがあれば足りる。枝は混同のおそれを要件としつつ、全ての指定商品との混同までは要らないとしており、64条1項のとおりである。

商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
正しい。64条1項の混同のおそれは、他人の使用により自己の業務に係る指定商品と混同を生ずるおそれがあるかどうかを問うものであり、指定商品が2以上あるときにそのすべてについて混同のおそれを求める文言はない。
64条1項は、商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることにより、その商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について防護標章登録を受けることができると定める。要件は他人の使用によって出所の混同を生ずるおそれがあることであり、混同の相手方となる指定商品は周知性を獲得している指定商品で足りる。指定商品が2以上あるときにそのすべてについて混同のおそれを要求する文言はなく、1又は2以上の指定商品について混同を生ずるおそれがあれば、そのおそれがある商品又は役務を指定して防護標章登録を受けることができる。

商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
- 主体:商標権者である。専用使用権者・通常使用権者は受けられない
- 周知性:登録商標が自己(地域団体商標は自己又はその構成員)の業務に係る指定商品又は指定役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることである
- 混同のおそれ:指定商品又は指定役務に類似しない商品又は役務について他人が登録商標の使用をすると、その商品又は役務と自己の業務に係る指定商品又は指定役務とが混同を生ずるおそれがあることである
- 標章:登録商標と同一の標章に限られる。類似する標章は登録できない
- 指定する範囲:混同のおそれがある商品又は役務である。混同のおそれがない商品を含めると、その部分が64条違反の拒絶理由になる
正しい。64条3項は、地域団体商標に係る商標権の防護標章登録について、同条1項・2項の「自己の」を「自己又はその構成員の」と読み替えるから、構成員の業務で周知であれば足りる。
64条1項は、商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合に、混同を生ずるおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができると定める。これに対して64条3項は、地域団体商標に係る商標権に係る防護標章登録についての1項・2項の適用では、「自己の」とあるのは「自己又はその構成員の」とすると定める。地域団体商標は組合等がその構成員に使用をさせる商標で、需要者の間に広く認識されているのは構成員の業務に係る商品としてであるから、商標権者自身の業務に限ると防護標章登録を受けられなくなるため、読み替えで構成員の業務を含めた。したがって商標権者自身が使用していなくても、構成員の業務に係る指定商品を表示するものとして広く認識されていれば足りる。

地域団体商標に係る商標権に係る防護標章登録についての前二項の規定の適用については、これらの規定中「自己の」とあるのは、「自己又はその構成員の」とする。
誤り。違うのは「2つの防護標章の登録を重複して受けることができない」の部分である。64条の防護標章登録は商標権ごとにその要件を満たせば受けることができ、複数の商標権に基づく重複した登録を禁ずる規定はない。
64条1項は、商標権者は、登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、指定商品及びこれに類似する商品以外の商品について他人が登録商標の使用をすることにより混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができると定める。防護標章登録は特定の商標権に附随する権利であり、66条のとおり、その商標権の分割で消滅し、移転に従って移転し、消滅で消滅する。同一の商標について指定商品を異にする2つの商標権があれば、それぞれが別個の商標権として周知性と混同のおそれを判断され、要件を満たす限り各商標権に基づいて防護標章登録を受けることができ、その指定商品が同一又は類似で重なることを妨げる規定は置かれていない。したがって、重複して受けることができないとする枝は条文とずれている。

商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。
- 主体:商標権者である。専用使用権者・通常使用権者は受けられない
- 周知性:登録商標が自己(地域団体商標は自己又はその構成員)の業務に係る指定商品又は指定役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることである
- 混同のおそれ:指定商品又は指定役務に類似しない商品又は役務について他人が登録商標の使用をすると混同を生ずるおそれがあることである
- 標章:登録商標と同一の標章に限られる
- 指定する範囲:混同のおそれがある商品又は役務である

























