1確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
2民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
この条文が問われた枝 7問
誤り。違うのは「再審の確定審決に対して改めて再審の請求をすることはできない」の部分である。53条1項の再審の対象は「確定審決」であり、再審の確定審決も確定審決として再審の対象になる。
53条1項は、「確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる」と定め、同条2項が民事訴訟法338条1項・2項と339条の再審の事由を準用する。条文は再審の対象を確定審決とだけ定めており、拒絶査定不服審判や無効審判の確定審決に限るとも、再審でされた確定審決を除くとも書いていない。再審は確定した判断を蒸し返す非常の不服申立てであるから事由は民事訴訟法338条1項の重大なものに限られるが、再審の審決であっても審判官が職務に関する罪を犯したり偽造された証拠が判断の基礎になったりすれば同じ事由が生じるのであり、その審決だけを放置する理由がないという理屈である。したがって再審の確定審決に再審の事由があれば、当事者又は参加人は改めて再審を請求できる。枝は前半で拒絶査定不服審判や無効審判の確定審決が再審の対象になるとする点は正しいが、再審の確定審決を対象から外している点がずれている。

確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
- 対象:確定審決である。再審の確定審決も確定審決なので再審の対象になる
- 請求できる者:当事者又は参加人である(53条1項)。共謀による詐害審決では害された第三者も請求できる(54条)
- 事由:民事訴訟法338条1項各号に限られる。審判で主張しなかった別の理由や証拠は事由にならない
- 期間:審決が確定した後再審の理由を知った日から30日以内である(58条1項で準用する特許法173条1項)
正しい。171条1項は確定した取消決定及び確定審決に対して当事者又は参加人が再審を請求できると定め、再審の審決が確定したものも確定審決としてその対象に含まれる。
171条1項は、確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は再審を請求することができると定める。再審の対象として挙げられているのは確定した取消決定と確定審決であり、どの審判の審決かを限定していないから、拒絶査定不服審判、無効審判、訂正審判の確定審決に加えて、再審の審決も確定すれば確定審決として再審の対象になる。再審の審決そのものに再審の事由、たとえば法律により関与できない審判官が関与したことや判断の基礎となった書類が偽造であったことがあれば、それを争う手段を閉ざす理由はない。請求できるのは当事者又は参加人であり、再審の審判の当事者又は参加人がこれに当たる。期間については173条の30日と3年の制限が同じように及ぶ。したがって、再審の確定審決に対して当事者又は参加人が再審を請求することができ、枝はそのとおりである。

確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
- 対象:確定した取消決定(特許異議の申立て)と確定審決(拒絶査定不服審判・無効審判・延長登録無効審判・訂正審判)である。再審の確定審決も含む
- 請求人:当事者又は参加人である。利害関係人や何人もではない。詐害審決は172条の第三者が請求人及び被請求人を共同被請求人として請求する
- 事由:民事訴訟法338条1項各号の準用である。取消訴訟で主張した事由、知りながら主張しなかった事由は除かれる
誤り。違うのは「審決取消訴訟においてその事由を既に主張していたとしても、その事由によって審決Aに対して再審を請求することができる」の部分である。171条2項が準用する民事訴訟法338条1項ただし書により、上訴でその事由を主張したときは再審を請求できない。
171条2項は、民事訴訟法338条1項及び2項並びに339条の再審の事由の規定を再審の請求に準用する。民事訴訟法338条1項10号は、不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触することを再審事由として挙げており、確定した審決Aが前に確定した審決Bと抵触することは、これにあたる再審事由である。しかし同項ただし書は、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでないと定める。再審は確定した判断を覆す非常の手段であるから、通常の不服申立ての中で主張して判断を受けた事由は再び争わせないという補充性の考え方であり、審決取消訴訟はここでいう上訴にあたる。したがって、審決取消訴訟で審決Bとの抵触を既に主張していた当事者は、その事由によって再審を請求することができない。173条6項が抵触を理由とする再審に期間の制限を外していることと、請求できるかどうかは別の問題である。

ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
誤り。違うのは「再審を請求することができる」の部分である。171条1項が再審の対象とするのは確定した取消決定及び確定審決であり、特許を維持すべき旨の決定は含まれない。
171条1項は、確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができると定める。再審の対象は確定した取消決定と確定審決の二つに限られており、特許異議の申立てにおける特許を維持すべき旨の決定は挙げられていない。特許異議の申立ては、何人もが特許庁に特許の見直しを促す制度であり、申立人は当事者として争う地位を与えられていないから、維持決定には114条5項により不服を申し立てることができず、確定後に蒸し返す再審の道も用意されていない。維持決定に納得できない申立人は、利害関係があれば特許無効審判を請求して争えばよく、異議の申立てには一事不再理の定めもない。枝は、偽造文書が証拠となったという事由自体は171条2項が準用する民事訴訟法338条1項の再審事由にあたるとしても、そもそも維持決定が再審の対象でない点でずれている。

確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
誤り。違うのは「参加人は、特許権者とともにする場合でなければ、再審を請求することができない」の部分である。171条1項は確定した取消決定に対し当事者又は参加人が再審を請求できると定め、参加人が特許権者とともにしなければならないという制限はない。
171条1項は、確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができると定める。特許異議の申立てにおける参加人は、119条1項により特許権者を補助するために参加した者であり、同条2項で準用する148条4項により一切の審判手続をすることができ、参加人は被参加人から独立した手続上の地位を持つ。再審についても171条1項は当事者と参加人を並べて請求人とするだけで、参加人の請求を被参加人である特許権者との共同に限る定めは置いていない。審判の請求人と被請求人が共謀して第三者を害する審決をさせた場合の172条の再審で、特許権者と請求人を共同被請求人とするのとは逆の場面である。枝は、参加人の再審の請求に特許権者との共同という条文にない要件を加えている点が違う。

確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
- 171条1項:確定した取消決定及び確定審決に対して、当事者又は参加人が請求できる
- 172条1項:審判の請求人と被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的で審決をさせたときは、その第三者が請求できる。請求人と被請求人を共同被請求人とする(2項)
- 利害関係人や何人もではない。参加人の請求に被参加人との共同は要らない
正しい。171条2項が準用する民事訴訟法338条1項2号により、法律により審決に関与することができない審判官が審決に関与したことは再審の事由であり、確定後に知った請求人は再審を請求できる。
171条2項は、民事訴訟法338条1項及び2項並びに339条の再審の事由の規定を再審の請求に準用する。同法338条1項2号は、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したことを再審の事由とし、審決についてはこれを審判官と読み替える。139条の除斥の原因がある審判官や141条で忌避された審判官が関与した審決は合議体の構成に瑕疵があるから、確定していても取り消して審理をやり直す必要がある。338条1項ただし書は、当事者が上訴によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは再審を請求できないとするが、枝は請求人が審決の確定後に知った場合であるから、ただし書に当たらない。173条1項により再審は理由を知った日から30日以内に請求しなければならない。枝は、法律により関与できない審判官の関与を理由に確定審決に対して再審を請求できるとしており、準用のとおりである。

民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
誤り。違うのは「何人も、延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求することができる」の部分である。171条1項により、確定審決に対して再審を請求できるのは当事者又は参加人に限られる。
171条1項は、確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は再審を請求することができると定める。再審は、いったん確定した審決を、審決に関与できない審判官が関与していた、証拠が偽造されていたなど民事訴訟法338条1項の重大な瑕疵を理由に取り消して審理をやり直す非常の手続であり、確定審決の安定を破る以上、その審判の手続に加わっていた当事者と参加人にだけ申立てを許している。延長登録無効審判の確定審決も確定審決の一つであるから、再審を請求できる者はその審判の当事者又は参加人である。なお172条は、審判の請求人と被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的で審決をさせたときに、その第三者が再審を請求できるとするが、これも害された第三者に限られ、何人もではない。

確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
























