意匠権又は専用実施権を侵害した者(第三十八条の規定により意匠権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文が問われた枝 1問
正しい。69条の侵害の罪について、74条1項1号は、法人の代表者がその法人の業務に関し違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して3億円以下の罰金刑を科すると定める。
69条は、意匠権又は専用実施権を侵害した者を10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定める。意匠権の侵害は民事上の差止めや損害賠償の対象になるだけでなく犯罪でもあり、本件侵害訴訟とは別に刑事事件として訴追され得る。74条1項は、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を科すると定め、1号で69条の侵害の罪について3億円以下の罰金刑を挙げている。法人の業務として行われた侵害では、行為した代表者だけを罰しても利益を得た法人に制裁が及ばず抑止にならないため、両罰として法人にも罰金を科すものである。したがって、乙の代表者が乙の業務に関し意匠イの意匠権を侵害したときは、代表者と共に法人乙にも刑事事件で刑罰が科される可能性があり、枝は正しい。法人に科されるのは罰金刑であり拘禁刑ではない。

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 侵害の罪(69条):10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、又は併科である。38条のみなし侵害は69条の2で別に定める
- 両罰(74条1項1号):法人の代表者・従業者が業務に関し69条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか法人に3億円以下の罰金刑を科する
- 民事との関係:差止め・損害賠償の訴訟とは別に刑事事件として扱われる