1日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
2二以上の意匠を包含する国際出願についての前項の規定の適用については、同項中「された意匠登録出願」とあるのは、「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」とする。
3第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により意匠登録出願とみなされた国際出願(以下「国際意匠登録出願」という。)に係るジュネーブ改正協定第一条(viii)に規定する国際登録簿(以下「国際登録簿」という。)に記録された次の表の上欄に掲げる事項は、第六条第一項の規定により提出した願書に記載された同表の下欄に掲げる事項とみなす。国際登録の名義人の氏名又は名称及びその住所意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所国際登録の対象である意匠の創作をした者の氏名及びその住所意匠の創作をした者の氏名及び住所又は居所国際登録の対象である意匠を構成する一若しくは二以上の製品又は国際登録の対象である意匠が使用されることとなる一若しくは二以上の製品意匠に係る物品又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途(上欄に掲げる製品が建築物又は画像である場合において、当該製品に係る国際登録簿に記録された事項から当該建築物又は画像の用途を認識することができるときに限る。)
4国際意匠登録出願に係る国際登録簿に記録された意匠は、第六条第一項の規定により提出した図面に記載された意匠登録を受けようとする意匠とみなす。
この条文が問われた枝 12問
正しい。二以上の意匠を包含する国際出願は60条の6第2項により意匠ごとにされた意匠登録出願とみなされ、いずれも国際登録の日の出願となるから、互いに類似する意匠には9条2項が適用され、特許庁長官は同条4項により協議の結果を届け出るべき旨を命じる。
60条の6第1項は、日本を指定締約国とする国際出願で国際公表がされたものを国際登録の日にされた意匠登録出願とみなし、同条2項は、二以上の意匠を包含する国際出願については「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」と読み替える。協定では一つの国際出願に複数の意匠を含められるが、日本の意匠法は7条の一意匠一出願を原則とするため、意匠ごとに別個の出願として扱うのである。意匠ごとの出願はいずれも同じ国際登録の日にされたものとみなされるから、二つの意匠が互いに類似するときは、同一又は類似の意匠について同日に二以上の意匠登録出願があった場合として9条2項が適用され、協議により定めた一の出願人のみが登録を受けることができる。同条4項は、特許庁長官はこの場合に協議をしてその結果を届け出るべき旨を命じなければならないと定めるので、出願人が同一であっても協議命令が出される場合がある。

二以上の意匠を包含する国際出願についての前項の規定の適用については、同項中「された意匠登録出願」とあるのは、「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」とする。
正しい。60条の6第1項は国際公表がされた国際出願を国際登録の日にされた意匠登録出願とみなし、同条2項は二以上の意匠を包含する国際出願について「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」と読み替える。
60条の6第1項は、日本国を指定締約国とする国際出願であって国際登録について国際公表がされたものは、国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定め、同条2項は、二以上の意匠を包含する国際出願については1項の「された意匠登録出願」を「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」と読み替える。ジュネーブ改正協定の国際出願は一つの出願に複数の意匠を含めることができるが、日本の意匠法は7条の一意匠一出願を原則とし、審査も意匠権も意匠ごとに成立させるので、国内の手続に乗せる段階で意匠ごとの出願に分けておく必要があるという理屈である。みなされる時点は国際登録の日であり、国際公表は日本の出願として扱い始める条件にすぎない。枝は国際公表がされた国際出願が国際登録の日に意匠ごとの意匠登録出願とみなされるとしており、1項と2項の文言どおりである。

二以上の意匠を包含する国際出願についての前項の規定の適用については、同項中「された意匠登録出願」とあるのは、「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」とする。
- 意匠登録出願とみなす時点:国際登録の日である(60条の6第1項)。二以上の意匠は意匠ごとの出願とみなす
- 使えない制度:秘密意匠(60条の9)、優先権の主張書面の同時提出と優先期間経過後の救済(60条の10)、登録料(60条の21第3項)である
- 特例で置き換えるもの:設定登録は登録査定・審決(60条の13)、登録料は個別指定手数料(60条の21)、登録査定の送達は国際事務局経由の通知(60条の12の2)である
正しい。60条の6第3項の表は、国際登録簿に記録された意匠を構成する製品を願書の「意匠に係る画像の用途」とみなすが、製品が建築物又は画像である場合は記録された事項からその用途を認識することができるときに限る。
60条の6第3項は、国際意匠登録出願に係る国際登録簿に記録された事項を6条1項の願書に記載された事項とみなす表を置き、国際登録の対象である意匠を構成する製品又は意匠が使用されることとなる製品を「意匠に係る物品又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途」に対応させたうえで、かっこ書きで「上欄に掲げる製品が建築物又は画像である場合において、当該製品に係る国際登録簿に記録された事項から当該建築物又は画像の用途を認識することができるときに限る」とする。物品なら製品の記載で足りるが、建築物や画像は令和元年改正で物品を離れて意匠になったものであるから、製品の記載からその用途が読み取れなければ願書の記載として扱えないという理屈である。枝は画像について用途を認識できるときに限って願書の「意匠に係る画像の用途」とみなされるとしており、表のかっこ書きの文言どおりである。

第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により意匠登録出願とみなされた国際出願(以下「国際意匠登録出願」という。)に係るジュネーブ改正協定第一条(viii)に規定する国際登録簿(以下「国際登録簿」という。)に記録された次の表の上欄に掲げる事項は、第六条第一項の規定により提出した願書に記載された同表の下欄に掲げる事項とみなす。国際登録の名義人の氏名又は名称及びその住所意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所国際登録の対象である意匠の創作をした者の氏名及びその住所意匠の創作をした者の氏名及び住所又は居所国際登録の対象である意匠を構成する一若しくは二以上の製品又は国際登録の対象である意匠が使用されることとなる一若しくは二以上の製品意匠に係る物品又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途(上欄に掲げる製品が建築物又は画像である場合において、当該製品に係る国際登録簿に記録された事項から当該建築物又は画像の用途を認識することができるときに限る。)
誤り。違うのは「協議をしてその結果を届け出るべき旨を命じられない」の部分である。国際公表がされた国際出願Aは国際登録の日である4月6日にされた意匠登録出願とみなされ、同日の出願Bと類似する意匠について同日出願になるから、特許庁長官は協議を命じなければならない。
60条の6第1項は、日本国を指定締約国とする国際出願であって国際公表がされたものは、国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定める。国際出願の日ではなく国際登録の日を基準にするのは、国際事務局が方式を整えて国際登録簿に記録した日が、出願の内容と時点が確定する日だからである。国際出願Aは4月1日にされているが、不備を補った結果の国際登録の日は4月6日であり、出願Aは4月6日にされた意匠登録出願とみなされる。乙の出願Bも4月6日であるから、意匠イと意匠ロが類似する以上、同一又は類似の意匠について同日に二以上の出願があったという9条2項の場面になる。9条4項は、この場合に特許庁長官は相当の期間を指定して協議をしてその結果を届け出るべき旨を命じなければならないと定めており、命じるかどうかの裁量はない。国際出願の日の4月1日を基準に出願Aを先願と見ることはできない。

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
- 意匠登録出願とみなす時点は国際登録の日である(60条の6第1項)。国際出願の日でも国際公表の日でもない
- 二以上の意匠を包含する国際出願は、国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願とみなす(60条の6第2項)
- 異なった日の出願は最先の出願人だけが登録を受け(9条1項)、同日の出願は協議で定めた一人だけが登録を受ける(9条2項)
- 同日出願のとき特許庁長官は協議を命じなければならない(9条4項)。届出がなければ協議不成立とみなすことができる(9条5項)
正しい。60条の6第1項により国際意匠登録出願は国際登録の日である6月7日にされた意匠登録出願とみなされ、6月3日の出願Bの方が先願であるから、出願Bが国際意匠登録出願を理由に拒絶されることはない。
60条の6第1項は、日本国を指定締約国とする国際出願であって国際公表がされたものは、ジュネーブ改正協定10条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定める。国際出願は国際事務局が方式を審査して国際登録簿に登録するものであり、日本の意匠法での出願日は国際事務局が国際出願を受理した日ではなく、国際登録の日で決まる。国際出願に不備があってそれを補った場合には、国際登録の日が国際出願の日より後になることがあり、本枝では6月1日の国際出願が補正を経て6月7日を国際登録の日として登録されている。したがって甲の国際意匠登録出願は6月7日にされた出願として扱われる。乙の出願Bは6月3日の出願であるから、意匠イと意匠ロが類似していても9条1項の先願は出願Bの方であり、出願Bが国際意匠登録出願を理由に拒絶されることはない。むしろ甲の国際意匠登録出願の側が出願Bを理由に拒絶され得る。

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
誤り。違うのは「意匠法第9条第1項(先願)を理由として拒絶されることはない」の部分である。60条の6第1項により国際意匠登録出願は国際登録の日にされた意匠登録出願とみなされ、その日より前にされた出願Bが先願となる。
60条の6第1項は、日本国を指定締約国とする国際出願であって国際公表がされたものは、ジュネーブ改正協定10条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定める。国際出願の日ではなく国際登録の日を出願日とするのは、ジュネーブ改正協定が国際登録の効果を国際登録の日から生じさせており、指定締約国での出願としての地位もその日を基準にそろえるためである。本枝では国際出願Aは令和元年10月1日にされたが国際登録の日は同月7日であり、国際意匠登録出願の出願日は10月7日となる。乙の出願Bはそれより前の10月3日にされているから、意匠イと意匠ロが類似する場合、9条1項の先願は出願Bであり、国際意匠登録出願は出願Bを引用されて9条1項を理由に拒絶され得る。本枝は国際出願の日を基準に先後を見ている点で誤りである。

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
誤り。違うのは「我が国において意匠ごとに出願を分割する手続をしなければならない」の部分である。二以上の意匠を包含する国際出願は、60条の6第2項により国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願とみなされる。
60条の6第1項は、日本国を指定締約国とする国際出願であって国際公表がされたものを、国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定め、同条2項は、二以上の意匠を包含する国際出願については、国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願とみなすと読み替える。ジュネーブ改正協定は一つの国際出願に複数の意匠を含めることを認めるが、我が国は7条の一意匠一出願の原則を採るので、法律の規定で当然に意匠ごとの出願に分けて扱い、出願人に我が国で改めて分割の手続をさせないという仕組みである。したがって二以上の意匠を含む国際出願について、出願人が我が国で意匠ごとに出願を分割する手続をしなければならないとする枝は誤りである。10条の2の分割は、国内の出願が二以上の意匠を包含して7条に反する場合に出願人の意思で行うものであり、国際意匠登録出願では法律上のみなしで意匠ごとの出願がすでに成立している点が違う。

二以上の意匠を包含する国際出願についての前項の規定の適用については、同項中「された意匠登録出願」とあるのは、「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」とする。
誤り。違うのは「意匠ロは意匠登録を受けることができない」の部分である。国際意匠登録出願は60条の6第1項により国際登録の日にされた出願とみなされるので、出願Aの出願日は国際登録の日である8月7日となり、8月3日の出願Bの方が先願である。
60条の6第1項は、日本国を指定締約国とする国際出願であって国際公表がされたものは、ジュネーブ改正協定10条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定める。国際出願が国際事務局に対してされた日や、国際公表の日ではなく、国際登録の日が我が国における出願日になるのである。甲の国際意匠出願Aは平成30年8月1日にされたが、国際登録は同年8月7日であるから、我が国では8月7日にされた意匠登録出願とみなされる。乙の出願Bは同年8月3日であり、意匠イに類似する意匠ロについて出願Aより先の日にされた出願である。9条1項は異なった日の二以上の出願について最先の出願人のみが登録を受けることができると定めるので、先願は出願Bであり、意匠ロが出願Aの存在を理由に9条で登録を受けることができないとはならない。

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
正しい。日本国を指定締約国としない国際出願Iは日本の意匠登録出願とみなされず9条や3条の2の先願にならず、意匠トが公知となった国際公表の日は出願Cの出願日とみなされる平成28年4月1日より後であるから、3条の引例にもならない。
60条の6第1項が国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすのは、日本国を指定締約国とする国際出願で国際公表がされたものに限られる。丁の国際出願Iは指定締約国に日本国を含まないので、日本では意匠登録出願として扱われず、9条1項の先願にも、3条の2の先の意匠登録出願にも当たらない。残るのは意匠トが公知の意匠として3条1項・2項の引例になるかであるが、意匠トが公知になったのは国際公表の平成28年4月5日であり、それより前に公知になっていないことは枝が示している。出願Cは特許出願Aからの分割と変更により平成28年4月1日にしたものとみなされるから、意匠トは出願C前に公然知られた意匠にも刊行物に記載された意匠にも当たらず、意匠イが意匠トに類似していても3条1項3号の問題は生じない。したがって出願Cが出願I又は意匠トの存在を理由として拒絶されることはない。

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
正しい。国際意匠登録出願は60条の6第1項で国際登録の日にされた意匠登録出願とみなされ、5条3号の不登録事由がそのまま適用される。
5条3号は、物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠を、3条の規定にかかわらず意匠登録を受けることができない意匠とする。その機能を果たすためには必然的にその形状にならざるを得ない形態を一人に独占させると、技術的な思想そのものを意匠権で押さえることになり、特許法・実用新案法との役割分担を崩すからである。60条の6第1項は、日本を指定締約国とする国際出願で国際公表がされたものを国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすと定め、国際意匠登録出願は国内出願と同じく3条・5条の登録要件の審査を受ける。ジュネーブ改正協定は出願の方式を国際事務局に一本化するだけで実体審査は各指定締約国に委ねており、意匠法も5条について国際意匠登録出願の特例を置いていない。したがって国際意匠登録出願に係る場合であっても、機能確保に不可欠な形状のみからなる意匠は登録を受けられず、枝のとおりである。

物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠
誤り。違うのは「意匠ロを本意匠、意匠イを関連意匠として意匠登録を受けることができる場合がある」の部分である。国際意匠登録出願Aは国際登録の日(平成27年6月1日)にされた出願とみなされ、出願B(同年10月1日)より先であるから、後願の意匠ロを本意匠にして先願の意匠イを関連意匠にすることはできない。
10条1項は、関連意匠の意匠登録出願の日がその本意匠の意匠登録出願の日以後であって、本意匠の出願の日から10年を経過する日前である場合に限り、9条1項・2項の規定にかかわらず関連意匠の登録を受けることができると定める。関連意匠は本意匠のバリエーションを後から保護する制度であり、本意匠より前の出願を関連意匠にする余地はない。60条の6第1項は、日本を指定締約国とする国際出願で国際公表がされたものを国際登録の日にされた意匠登録出願とみなすので、国際意匠登録出願Aの出願日は国際登録の日である平成27年6月1日であり、国際公表の日ではない。出願Bは同年10月1日の出願であるから、出願Aの方が先である。したがって意匠ロを本意匠として先願の意匠イを関連意匠にすることはできず、できるのは意匠イを本意匠として意匠ロを関連意匠にする組合せである。枝は本意匠と関連意匠の先後を逆にしている点がずれている。

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。
- 関連意匠の出願日が本意匠の出願日以後であること。同日でもよい
- 本意匠の出願日から10年を経過する日前であること(令和元年改正。改正前は本意匠の意匠公報の発行の日前)
- 国際意匠登録出願の出願日は国際登録の日である(60条の6第1項)。国際公表の日ではない
- 優先権の主張を伴う関連意匠の出願は、最初の出願の日で先後を見る
正しい。登録意匠イに類似する意匠ロが、先願に係る乙の登録意匠ハに類似しているときは、意匠ロの実施が乙の意匠権と抵触するので、甲は業として意匠ロを実施できない(26条2項)。国際出願に係る登録意匠も国際登録の日の出願として先願になる。
26条2項は、意匠権者等は、その登録意匠に類似する意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠若しくはこれに類似する意匠を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権と抵触するときは、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができないと定める。意匠権の効力は類似する意匠にも及ぶ(23条)が、先願の意匠権の類似範囲と重なる部分では先願の意匠権者が優先する。乙の登録意匠ハは国際出願に係るものだが、60条の6第1項により国際登録の日にされた意匠登録出願とみなされるので、その日が意匠イの出願日より前なら先願に当たる。意匠ロは登録意匠イに類似すると同時に登録意匠ハにも類似するので、その実施は乙の意匠権と抵触する。したがって甲は業として意匠ロを実施することができない場合があり、枝のとおりである。

意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠に類似する意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠若しくはこれに類似する意匠、特許発明若しくは登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権、特許権、実用新案権若しくは商標権若しくはその意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができない。























