1確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
2民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
1確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
2民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
1審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
2前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。
1無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において製造し、若しくは取得した当該登録実用新案に係る物品には、及ばない。
2無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
1 当該考案の善意の実施
2 善意に、当該登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為
3 善意に、当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為
誤り。違うのは「輸出のために所持した行為には、及ぶ場合はない」の部分である。再審で回復した実用新案権の効力が及ばないのは善意の所持に限られ(実用新案法44条2項3号)、善意でない所持には及ぶ。
実用新案法44条2項は、無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前における各号の行為には及ばないと定め、1号に当該考案の善意の実施、2号に善意に登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為、3号に善意に当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為を挙げる。無効審決が確定して権利が消えたと信じて行動した者を、再審で権利が戻ったからといって遡って侵害者として扱うのは酷であるから、効力を制限するが、その保護は善意の者に限られる。無効理由がなく再審で覆ることを知りながら所持していた者まで守る理由はないので、各号はいずれも善意を要件にしている。枝は3号の善意の要件を落とし、所持した行為であれば一切効力が及ばないとしている点で条文とずれる。この制限は特許法175条の準用ではなく、実用新案法44条が自ら定めている。

善意に、当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為
正しい。実用新案法44条1項は、再審により回復した実用新案権の効力は、審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入した当該登録実用新案に係る物品には及ばないと定める。
実用新案法44条1項は、無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において製造し、若しくは取得した当該登録実用新案に係る物品には及ばないと定める。無効審決が確定すれば第三者はその考案を自由に実施できると信じて行動するから、再審で権利が回復しても、確定から再審の請求の登録までの間に権利が無いと信じて輸入し、製造し、取得した物品にまで権利を及ぼせば、取引の安全が損なわれるため、物品単位で効力を制限したものである。再審の請求の登録後は登録を見れば再審が係属していることが分かるので、その後の行為は保護されない。枝は、審決の確定後再審の請求の登録前に善意に輸入した物品について効力が及ばないとしており、条文のとおりである。特許法175条1項が物の発明について同じ定めを置いている。

無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において製造し、若しくは取得した当該登録実用新案に係る物品には、及ばない。
誤り。違うのは「輸出のために所持した行為にも、及ぶ」の部分である。実用新案法44条2項3号は、審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為には回復した実用新案権の効力が及ばないと定める。
実用新案法44条2項は、無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前における、当該考案の善意の実施(1号)、善意にした登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出(2号)、善意に当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為(3号)には及ばないと定める。無効審決の確定後に権利が無いと信じて行われた実施や準備の行為を、回復した権利の侵害として遡って問えば、確定審決を信頼した第三者が不測の責任を負うことになる。そのため1項の物品に対する制限と並べて、行為についても善意のものを効力の外に置いたのがこの項である。枝は、善意に輸出のために所持した行為に効力が及ぶとしており、3号の定めと逆である。特許法175条2項3号も物の発明について同じ定めを置く。

善意に、当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為
1特許法第百七十三条(再審の請求期間)、第百七十四条第三項及び第五項(審判の規定等の準用)並びに第百七十六条(再審の請求登録前の実施による通常実施権)の規定は、再審に準用する。この場合において、同法第百七十四条第三項中「第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文」とあるのは「実用新案法第三十八条第一項、同法第三十八条の二第一項本文」と、「第百三十四条第一項、第三項及び第四項」とあるのは「同法第三十九条第一項、第三項及び第四項」と、「から第百六十八条まで」とあるのは「、第百六十七条の二、同法第四十条」と読み替えるものとする。
2特許法第四条の規定は、前項において準用する同法第百七十三条第一項に規定する期間に準用する。
削除
1審決に対する訴え及び審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2特許法第百七十八条第二項から第六項まで(出訴期間等)及び第百七十九条から第百八十二条の二まで(被告適格、出訴の通知等、審決取消訴訟における特許庁長官の意見、審決又は決定の取消し、裁判の正本等の送付及び合議体の構成)の規定は、前項の訴えに準用する。
誤り。違うのは「5人の裁判官の合議体で審理及び裁判をすることはできない」の部分である。実用新案法47条2項は特許法182条の2を準用しており、実用新案登録無効審判の審決に対する訴えも5人の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をすることができる。
特許法182条の2は、178条1項の訴えに係る事件については、5人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができると定め、実用新案法47条2項は、特許法178条2項から6項まで及び179条から182条の2までの規定を、実用新案法の審決等に対する訴えに準用する。審決取消訴訟は通常3人の合議体で審理されるが、重要な法律問題を含む事件については知的財産高等裁判所の5人の裁判官による大合議で判断の統一を図れるようにしたのが182条の2である。実用新案法47条2項はこの182条の2まで準用しているから、実用新案登録無効審判の審決に対する訴えも大合議の対象になり得る。意匠法59条2項・商標法63条2項の準用は182条までで、182条の2を含まない点が実用新案法との違いである。本枝は準用を見落として実用新案の事件を除外しており、実用新案法47条2項と食い違う。

第百七十八条第一項の訴えに係る事件については、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。
誤り。違うのは「意見を求めることはできない」の部分である。実用新案法47条2項が特許法180条の2を準用しており、裁判所は特許庁長官に意見を求めることができる。
特許法180条の2第1項は、裁判所は、179条ただし書に規定する訴え、すなわち当事者系の審判の審決に対する取消訴訟の提起があったときは、特許庁長官に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について意見を求めることができると定める。当事者系の審決取消訴訟では特許庁長官は被告にならないため、審査や審判の実務を踏まえた行政庁の見解を裁判所が聴ける道を設けたものであり、特許庁長官の側から意見を述べる申出も同条2項で認められている。実用新案法47条2項は、実用新案登録無効審判の審決に対する訴えについて、特許法178条2項から6項まで及び179条から182条の2までを準用しており、その中に180条の2が含まれている。したがって実用新案登録無効審判の審決取消訴訟でも、裁判所は特許庁長官に実用新案法の適用その他の必要な事項について意見を求めることができ、本枝はこの準用を見落としている。

特許法第百七十八条第二項から第六項まで(出訴期間等)及び第百七十九条から第百八十二条の二まで(被告適格、出訴の通知等、審決取消訴訟における特許庁長官の意見、審決又は決定の取消し、裁判の正本等の送付及び合議体の構成)の規定は、前項の訴えに準用する。
正しい。182条1号は、179条ただし書の訴えについて裁判により訴訟手続が完結した場合、裁判所が各審級の裁判の正本を特許庁長官に送付しなければならないと定め、実用新案法47条2項がこれを準用する。
182条は、179条ただし書に規定する訴え、すなわち特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの再審の審決に対する訴えについて、裁判により訴訟手続が完結した場合には各審級の裁判の正本(又は裁判の内容を記載し裁判所書記官が同一性を証明した書面)を、裁判によらないで完結した場合には請求項を特定するために必要な書類を、裁判所が遅滞なく特許庁長官に送付しなければならないと定める。これらの訴えでは特許庁長官が被告にならず当事者間で争われるため、審決の確定や取消しの結果を特許庁が登録原簿に反映できるように、裁判所の側から結果を知らせる仕組みを置いたものである。実用新案法47条2項は特許法179条から182条の2までを実用新案登録無効審判の審決に対する訴えに準用するので、枝のとおり両方の訴えについて正本の送付義務がある。

裁判により訴訟手続が完結した場合各審級の裁判の正本又は当該裁判の内容を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該裁判の内容と同一であることを証明したもの
誤り。違うのは「更に審理を行うことなく、直ちに当該判決の理由中の判断と同じ内容の審決をしなければならない」の部分である。181条2項は、取消しの判決が確定したときは審判官が「更に審理を行い」審決をしなければならないと定める。
特許法181条2項は、審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、審判官は更に審理を行い、審決又は決定をしなければならないと定め、実用新案法47条2項がこれを準用する。裁判所にできるのは審決を取り消すことまでで、特許や実用新案登録を無効にするか維持するかの判断そのものは、改めて特許庁の審判手続で行う仕組みである。審判官は取消判決の理由中の判断に拘束されるが、拘束されるのは判決が判断した事項についてであり、取消し後の審理では当事者が新たな主張や証拠を出すこともでき、その結果として判決と同じ結論になるとは限らない。したがって審理を省略して直ちに判決と同じ内容の審決をするのではなく、更に審理を行った上で審決をすることが求められる。

審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。
誤り。違うのは「審判を請求することなく当該事項に関する訴えを提起することもできる旨の規定がある」の部分である。178条6項は、審判を請求することができる事項に関する訴えは審決に対するものでなければ提起できないと定める。
特許法178条6項は、審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ提起することができないと定め、実用新案法47条2項がこれを準用する。拒絶査定や無効理由の有無のように審判で争える事項については、まず特許庁の審判官による専門的な判断を経させ、その審決を裁判所が審査するという審判前置の仕組みをとっているからである。したがって、審判を請求するか訴えを提起するかを当事者が選べるという規定は特許法にも実用新案法にもなく、枝のいう選択を認める規定があるという前提が誤りである。なお、行政事件訴訟法8条1項は処分の取消しの訴えと審査請求の自由選択を原則とするが、178条6項はその例外として法律で審判前置を定めたものである。

審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。
誤り。違うのは「大阪高等裁判所にも提起することができる」の部分である。実用新案法47条1項も審決に対する訴えを東京高等裁判所の専属管轄としており、大阪高等裁判所には提起できない。
特許法178条1項は、取消決定又は審決に対する訴えと、審判若しくは再審の請求書等の却下の決定に対する訴えを東京高等裁判所の専属管轄とし、実用新案法47条1項も同じ文言で、審決に対する訴え及び審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えを東京高等裁判所の専属管轄と定める。専属管轄としているのは、特許庁の審決という技術的で専門的な行政処分の当否を争う訴えを一つの裁判所(知的財産高等裁判所)に集め、判断の統一と専門性を確保するためであり、当事者の所在地によって管轄を選べる仕組みではない。実用新案法は無審査で登録される権利であるが、無効審判の審決を争う訴えの管轄について特許法と異なる扱いをする理由はなく、大阪高等裁判所に提起できる旨の規定はどちらの法にもない。

審決に対する訴え及び審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
誤り。違うのは「通常実施権を設定すべき範囲について不服があるときは、東京高等裁判所に訴えを提起することができる」の部分である。東京高等裁判所の専属管轄は審決等に対する訴えに限られ、裁定に対する不服はその対象ではない。
実用新案法21条1項・2項により、登録実用新案の実施が継続して3年以上適当にされていないときは、出願の日から4年の経過後に協議を求め、協議が成立しなければ特許庁長官の裁定を請求できるので、枝の前半は正しい。しかし裁定は審判ではなく特許庁長官の行政処分であり、実用新案法47条1項が東京高等裁判所の専属管轄とするのは審決に対する訴えと審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えだけである。裁定に対する不服のうち対価の額については、21条3項が準用する特許法91条の2により審査請求の理由にできず、特許法183条の訴えで相手方当事者を被告として額の増減を求める。通常実施権を設定すべき範囲のような対価以外の不服は、行政不服審査法の審査請求か、裁定の取消しを求める通常の行政事件訴訟によることになり、東京高等裁判所に審決等取消訴訟として提起するものではない。

審決に対する訴え及び審判又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
正しい。実用新案法47条2項が準用する特許法178条3項・4項により出訴期間は審決の謄本の送達があった日から30日の不変期間であるが、同条5項により審判長が遠隔又は交通不便の地にある者のため附加期間を定めることができる。
特許法178条3項は、審決等に対する訴えは審決又は決定の謄本の送達があった日から30日を経過した後は提起できないと定め、同条4項はこの期間を不変期間とする。実用新案法47条2項はこれらの規定を実用新案登録無効審判の審決に対する訴えに準用する。不変期間は裁判所が伸縮できない期間であり、審決の確定時期を早く定める趣旨である。しかし178条5項は、審判長は遠隔又は交通不便の地にある者のため職権で不変期間について附加期間を定めることができると定める。附加期間が定められれば30日を経過した後でも附加期間内であれば訴えを提起できる。また不変期間であるから、民事訴訟法97条の追完により、当事者の責めに帰することができない事由で期間を守れなかったときは事由が消滅した後1週間以内に訴えを提起できる。したがって30日を経過した後でも提起できる場合がある。

審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。
1第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項又は第二十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
2特許法第百八十三条第二項(出訴期間)及び第百八十四条(被告適格)の規定は、前項の訴えに準用する。
削除