1実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。
2前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
3前二項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求は、その実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされた後は、することができない。
4特許庁長官は、第一項の規定による請求があつたときは、審査官にその請求に係る実用新案技術評価の報告書(以下「実用新案技術評価書」という。)を作成させなければならない。
5特許法第四十七条第二項の規定は、実用新案技術評価書の作成に準用する。
6第一項の規定による請求は、取り下げることができない。
7実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から第一項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。
この条文が問われた枝 17問
正しい。拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達の日から3月以内の出願の変更は適法であり(実用新案法10条1項)、実用新案登録出願については何人も実用新案技術評価を請求することができる(同法12条1項)。
実用新案法10条1項は、特許出願人はその特許出願を実用新案登録出願に変更することができると定め、ただし書で、拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があった日から3月を経過した後又は特許出願の日から9年6月を経過した後はこの限りでないとする。甲は最初の拒絶査定の謄本の送達の日から3月が経過する前に特許出願Aを実用新案登録出願Bに変更しているから、変更は適法であり、出願Bは出願Aの時にしたものとみなされる(同条3項)。そして同法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も特許庁長官に実用新案技術評価を請求することができると定める。実用新案は無審査で登録されるため、権利の有効性の目安となる評価書を出願の段階から誰でも求められるようにし、出願人には権利行使の準備を、第三者には権利の見極めをさせる趣旨である。出願人である甲は何人もに当然含まれるから、出願Bに係る考案について実用新案技術評価を請求することができる。

実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。
誤り。違うのは「その実用新案権が放棄された後であっても、することができる場合がある」の部分である。実用新案登録に基づく特許出願がされた後は、実用新案技術評価の請求をすることができない(実用新案法12条3項)。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録について何人も実用新案技術評価を請求できると定め、2項は実用新案権の消滅後も請求できるとしつつ、無効審判により無効にされた後は請求できないとする。そして3項は、これらの規定にかかわらず、その実用新案登録に基づいて特許法46条の2第1項の特許出願がされた後は請求することができないと定める。実用新案登録に基づく特許出願では実用新案権を放棄しなければならず、以後はその考案について特許出願の審査が進むから、無審査の実用新案権の有効性を見るための技術評価を特許庁に作らせる意味がなくなる。だから権利の消滅後も請求できるという2項の原則を外し、特許出願がされた後は一切請求できないとした。枝は放棄後にも請求できる場合があるとしているが、放棄が実用新案登録に基づく特許出願に伴うものである以上、3項により請求できない。

前二項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求は、その実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされた後は、することができない。
誤り。違うのは「一部の請求項に係る実用新案技術評価の請求を取り下げることができる」の部分である。実用新案技術評価の請求は取り下げることができない(実用新案法12条6項)。
実用新案法12条1項後段は、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については請求項ごとに実用新案技術評価を請求することができると定めるが、6項は、1項の請求は取り下げることができないと定める。技術評価書は、無審査で登録される実用新案権について特許庁の審査官が先行技術との関係を客観的に示す資料であり、権利行使の前提として相手方に提示されるものである。請求人の都合で請求を引っ込められるとすれば、不利な評価が出そうなときに取り下げて評価を世に出さないという使い方ができてしまい、制度の信頼を損なう。そのため請求は請求項ごとにできても、一度した請求は全部でも一部でも取り下げられない。枝はすべての請求項について請求した者が一部の請求項の請求を取り下げられるとしており、6項とずれる。なお請求後に実用新案登録に基づく特許出願がされた場合に、出願人又は権利者でない者の請求がされなかったものとみなされるのは7項の別の仕組みである。

第一項の規定による請求は、取り下げることができない。
- 請求できる者:何人もである。権利者でない第三者も請求できる
- 対象:3条1項3号、同号に係る3条2項、3条の2、7条1項から3項まで及び6項である
- 単位:二以上の請求項に係るときは請求項ごとに請求できる
- 時期:出願中でも権利の消滅後でも請求できる。無効にされた後と、実用新案登録に基づく特許出願がされた後はできない
- 取下げ:請求は取り下げることができない(6項)
誤り。違うのは「国内処理基準時を経過しなくても、特許庁長官に請求することができる」の部分である。実用新案法48条の13は、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求を、国内処理基準時を経過した後にできるものとしており、出願人にも例外はない。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録について、何人も特許庁長官に実用新案技術評価を請求できると定める。48条の13は、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、12条1項の「何人も」を「48条の4第6項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」と読み替えると定める。実用新案技術評価は考案の新規性・進歩性等について審査官が先行技術との関係を評価するものであるから、評価の対象となる明細書等が確定していなければ行えない。国際実用新案登録出願では、国内処理基準時の属する日までに翻訳文や図面、国際段階の補正の写しが出そろい、その時点で初めて国内の明細書等が固まるので、評価の請求を国内処理基準時の経過後に限ったものである。読み替え後の文言は「何人も」の前に時期の限定を置いており、請求する者が出願人であっても第三者であっても同じに扱われる。枝は出願人であれば国内処理基準時の前でも請求できるとしているので、48条の13と異なる。

国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、第十二条第一項中「何人も」とあるのは、「第四十八条の四第六項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」とする。
正しい。実用新案技術評価は何人も請求でき(12条1項)、29条の2が求めるのはその登録実用新案に係る実用新案技術評価書の提示であり、誰の請求による評価書かは問われない。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も特許庁長官に実用新案技術評価を請求することができると定める。無審査で登録される実用新案について、権利者だけでなく実施を考える第三者も有効性の目安を得られるようにする趣旨であり、請求人が権利者でないときは13条3項により謄本が請求人と権利者の双方に送達される。そして29条の2は、実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ侵害者等に対し権利を行使することができないと定める。この要件は、無審査の権利を根拠に相手方を不意打ちしないよう、有効性についての客観的な資料を示させることにあり、その資料が誰の請求で作成されたかは目的と関係がない。したがって第三者の請求による評価書でも、その登録実用新案に係るものであれば提示して警告し、権利を行使することができる。本枝は、この仕組みをそのまま述べており、条文のとおりである。

実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。
誤り。違うのは「その特許出願をした後に、実用新案技術評価を請求することができる」の部分である。実用新案法12条3項は、実用新案登録に基づく特許出願がされた後は技術評価の請求をすることができないと定める。
実用新案法12条1項は実用新案登録出願又は実用新案登録について何人も実用新案技術評価を請求できると定め、2項で実用新案権の消滅後も請求できるとするが、3項は、前二項の規定にかかわらず、その実用新案登録に基づいて特許法46条の2第1項の規定による特許出願がされた後は請求することができないと定める。実用新案登録に基づく特許出願をするときは実用新案権を放棄しなければならず(46条の2第1項後段)、その後は考案について権利行使の場面がないので、権利行使の前提である技術評価書を作る意味がなくなる。また特許出願の方は審査官が改めて審査するため、同じ内容について評価書を作る必要もない。権利の消滅後も請求できる2項の原則に対し、基礎とされた実用新案登録は3項で明文により除かれている。枝は特許出願をした後に請求できるとしており、3項と逆である。

前二項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求は、その実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされた後は、することができない。
- 請求できる者:何人もである。請求項ごとに請求できる(1項)
- 時期:出願中でも、実用新案権の消滅後でもできる。無効審判で無効にされた後はできない(2項)
- 実用新案登録に基づく特許出願がされた後はできない(3項)。他人の請求の後に基礎特許出願がされたときは、請求はされなかったものとみなす(7項)
- 請求は取り下げることができない(6項)
誤り。違うのは「審査官にその請求に係る実用新案技術評価書を作成させなければならない」の部分である。実用新案法12条7項により、その請求はされなかったものとみなされ、特許庁長官はその旨を請求人に通知する。
実用新案法12条4項は、技術評価の請求があったときは特許庁長官は審査官に実用新案技術評価書を作成させなければならないと定めるが、7項は、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から請求があった後に、その請求に係る実用新案登録に基づいて特許法46条の2第1項の特許出願がされたときは、その請求はされなかったものとみなし、特許庁長官はその旨を請求人に通知しなければならないと定める。実用新案登録に基づく特許出願をするには実用新案権を放棄しなければならず、放棄された実用新案登録について技術評価書を作っても権利行使の資料として使う場面がないため、作成を打ち切る趣旨である。権利者自身が請求した場合は46条の2第1項2号で特許出願の方ができなくなるので、7項は他人の請求に限って置かれている。枝はこの場合も評価書を作成させなければならないとしており、7項のみなし規定と逆である。

実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から第一項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。
誤り。違うのは「実用新案登録出願人又は実用新案登録の権利者自身による実用新案技術評価の請求は取り下げることができる」の部分である。実用新案技術評価の請求は、誰がした請求であっても取り下げることができない(実用新案法12条6項)。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録について何人も実用新案技術評価を請求することができると定め、同条6項は、この請求は取り下げることができないと定める。請求人を限定する文言はなく、出願人や権利者がした請求も第三者がした請求も同じ扱いである。実用新案は無審査で登録されるため、技術評価書は権利の有効性について審査官が示す客観的な評価として、権利者が権利行使をするときの提示(29条の2)や第三者の判断の材料になる。いったん請求して評価の手続が始まった後に、結果が不利になりそうだからといって取り下げを許せば、評価書の客観性が損なわれるので、取下げを一律に認めない。本枝は、他人による請求は取り下げられないが出願人又は権利者自身の請求は取り下げられると分けているが、条文は請求人による区別をしていない。請求人が出願人又は権利者でないときに、その登録に基づく特許出願がされると請求がされなかったものとみなされる(同条7項)のとは別の話である。

第一項の規定による請求は、取り下げることができない。
- 請求できる者:何人も請求できる。権利者でない第三者も請求できる(1項)
- 時期:実用新案権の消滅後も請求できるが、無効審判で無効にされた後はできない(2項)。実用新案登録に基づく特許出願がされた後もできない(3項)
- 取下げ:請求人を問わず取り下げることができない(6項)
- みなし:出願人・権利者でない者の請求の後に実用新案登録に基づく特許出願がされたときは、請求はされなかったものとみなす(7項)
誤り。違うのは「適法に当該実用新案登録に基づく特許出願がされた場合であっても、実用新案技術評価書が作成される」の部分である。実用新案法12条7項により、権利者でない者の請求の後に実用新案登録に基づく特許出願がされたときは、その請求はされなかったものとみなされ、評価書は作成されない。
実用新案法12条7項は、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から技術評価の請求があった後に、その請求に係る実用新案登録に基づいて特許法46条の2第1項の特許出願がされたときは、その請求はされなかったものとみなし、特許庁長官はその旨を請求人に通知しなければならないと定める。実用新案登録に基づく特許出願には実用新案権の放棄が伴い(特許法46条の2第1項後段)、放棄された権利について有効性の評価書を作る実益がないから、他人の請求を遡って無かったことにした。特許法46条の2第1項3号は、他人の請求に係る最初の通知を受けた日から30日を経過したときは実用新案登録に基づく特許出願をできないとするが、これは30日以内の特許出願を適法とする規定であり、適法な出願であっても評価書の作成が続くわけではない。したがって適法に特許出願がされた場合であっても評価書が作成されるとする枝は、7項のみなし規定と逆である。権利者自身が請求した後は、そもそも実用新案登録に基づく特許出願ができない(同項2号)。

実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から第一項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。
誤り。違うのは「その実用新案権の消滅後、請求項ごとに実用新案技術評価を請求することはできない」の部分である。実用新案法12条1項後段は請求項ごとの請求を認め、2項は実用新案権の消滅後も請求できると定める。
実用新案法12条1項後段は、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに実用新案技術評価を請求することができると定め、2項は、1項の請求は実用新案権の消滅後においてもすることができるとし、ただし書で実用新案登録無効審判により無効にされた後はこの限りでないとする。実用新案権が存続期間の満了や登録料の不納で消滅した後でも、存続中の侵害についての損害賠償請求や、29条の3の無効審決確定後の賠償責任をめぐる争いは残り、その考案の有効性の目安が必要になるから、消滅後の請求を認めた。無効審決で無効にされた登録だけは初めからなかったものとみなされるため除かれる。請求項ごとの請求は、権利者が評価を得たい請求項、第三者が問題にしたい請求項だけを対象にできるようにしたものであり、消滅後であっても1項後段の仕組みは変わらない。したがって消滅後は請求項ごとに請求できないとする枝は、2項と1項後段のどちらにも反する。

前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
誤り。違うのは「の規定に係るものについてのみ行われる」の部分である。実用新案法12条1項の実用新案技術評価は、3条1項3号・同号に係る2項・3条の2のほか、7条1項から3項まで及び6項の先願の規定に係るものについても行われる。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録について、何人も特許庁長官に、その考案に関する技術的な評価であって、3条1項3号及び2項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、3条の2並びに7条1項から3項まで及び6項の規定に係るものを請求することができると定め、これを実用新案技術評価という。実用新案は無審査で登録されるため、権利行使の前に客観的な有効性の目安を示す必要があるが、公然知られた考案や公然実施のように文献調査では把握できない事実に基づく評価は除き、刊行物等に基づく新規性・進歩性、拡大先願、先願という、特許庁が出願書類と文献の照合で判断できる事項に対象を絞った。したがって評価の対象は枝の挙げる3条1項3号・2項・3条の2に限られず、7条の先願の規定に係るものも含まれるから、これらについてのみ行われるとする枝は7条を落としている。無効理由(37条1項)はこれより広く、記載要件なども含む。

実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。
- 請求できる者:何人も。権利者でない第三者も請求でき、取り下げることはできない(6項)
- 対象:3条1項3号、同号に係る3条2項、3条の2、7条1項から3項まで及び6項。公然知られた考案・公然実施に基づく新規性・進歩性は入らない
- 単位:二以上の請求項に係るときは請求項ごとに請求できる
- 時期:実用新案権の消滅後もできる。無効審判で無効にされた後と実用新案登録に基づく特許出願の後はできない(2項・3項)
正しい。実用新案法48条の13は、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求について、12条1項の「何人も」を「国内処理基準時を経過した後、何人も」と読み替える。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録について、何人も特許庁長官に実用新案技術評価を請求することができると定める。そして48条の13は、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、この「何人も」を「第四十八条の四第六項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」とすると定める。国内処理基準時は国内書面提出期間が満了する時、又はその期間内に国内処理の請求をしたときはその請求の時であり(48条の4第6項)、それまでは翻訳文や図面が出そろわず、19条の補正後の請求の範囲の翻訳文が更に提出される可能性も残るから、評価の対象が確定しない段階での請求を認めないことにしたものである。基準時を過ぎれば、出願人であるか第三者であるかを問わず何人も請求できる。枝は48条の13の読み替えのとおりであり正しい。特許の国際特許出願で、出願人以外の者の出願審査の請求を国内書面提出期間の経過後に限る特許法184条の17と同じ発想である。

国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、第十二条第一項中「何人も」とあるのは、「第四十八条の四第六項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」とする。
正しい。実用新案法48条の13は、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求について、12条1項の何人もを国内処理基準時を経過した後、何人もと読み替えており、国内処理基準時の経過前は出願人も請求できない。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録については何人も特許庁長官に実用新案技術評価を請求することができると定め、出願中でも請求できる。しかし48条の13は、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、12条1項中の何人もとあるのを、48条の4第6項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人もとする。技術評価は出願の明細書等を基礎に審査官が先行技術との関係を評価するものであり、国際出願では国内処理基準時までは翻訳文や19条補正の翻訳文が差し替わりうるので、評価の基礎が確定する国内処理基準時の経過を待たせるという理屈である。読み替えは請求できる者の全体にかかっているので、出願人であっても国内処理基準時を経過するまでは請求できない。国内出願では出願の直後から何人も請求できるのと比べて、国際出願にだけ時期の制限が付いている。

国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、第十二条第一項中「何人も」とあるのは、「第四十八条の四第六項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」とする。
- 登録料(48条の12):第1年から第3年までの登録料は国内書面提出期間内、国内処理の請求をしたときはその請求の時まで
- 19条補正の翻訳文(48条の4第6項):国内処理基準時の属する日までに限り提出できる
- 図面(48条の7):国際出願日に図面を含まないときは国内処理基準時の属する日までに提出する
- 技術評価の請求(48条の13):国内処理基準時を経過した後、何人も請求できる
- 出願の変更(48条の11):翻訳文・国内書面・手数料の後であればでき、国内処理基準時の経過は要らない
誤り。違うのは「共有者全員でしなければならない」の部分である。実用新案技術評価は何人も請求できるので、共有者の一人でも、権利者でない第三者でも請求できる。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に実用新案技術評価を請求することができると定める。技術評価書は、無審査で登録された実用新案の有効性について審査官が客観的な評価を示す報告書であり、権利を処分する手続ではなく、権利者以外の者が権利の実力を見極めるためにも使われるから、請求人の資格を限らず何人にも開いている。特許法132条3項は、共有に係る特許権について共有者が審判を請求するときは共有者全員で請求しなければならないと定めるが、これは審判の結果が合一に確定すべき権利の存否にかかわるからであり、評価書の請求にはこのような定めがない。評価の結果は共有者全員に等しく及ぶが、権利そのものを動かす効果がないから、一人の請求で足りる。本枝は、審判の共同請求の定めを技術評価の請求に持ち込んでいる点が条文と食い違う。

実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。
誤り。違うのは「第3条第1項第1号に掲げる公然知られた考案に基づく同法第3条第2項の規定(いわゆる進歩性)に係る実用新案技術評価を請求することができる」の部分である。技術評価の対象は3条1項3号の刊行物公知等と同号に係る進歩性などに限られる。
実用新案法12条1項は、何人も、実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であって、3条1項3号及び2項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、3条の2並びに7条1項から3項まで及び6項の規定に係るものを請求することができると定める。実用新案は無審査で登録されるため、権利の有効性の目安として審査官が評価書を作るが、審査官が特許庁にある文献や電子的な情報で客観的に調べられる事項に対象を絞っている。公然知られた考案や公然実施をされた考案は、いつ誰に知られたか、どこで実施されたかという事実の認定を要し、書面の調査では確かめられないから、1号・2号の考案に基づく新規性も、それらに基づく進歩性も評価の対象から外されている。本枝は、評価の対象外である1号の公然知られた考案に基づく進歩性の評価を請求できるとしている点が条文と食い違う。

実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。
- 請求できる者:何人もである。共有者全員で請求すべき旨の規定はなく、権利者でない第三者も請求できる
- 対象:3条1項3号、同号に係る3条2項、3条の2、7条1項から3項まで及び6項である。公然知られた考案・公然実施をされた考案に基づく新規性・進歩性は入らない
- 単位:二以上の請求項に係るときは請求項ごとに請求できる
- 時期:出願中でも権利の消滅後でも請求できる。無効審判で無効にされた後と、実用新案登録に基づく特許出願がされた後はできない。請求は取り下げられない
誤り。違うのは「当該実用新案登録出願を取り下げることはできない」の部分である。実用新案法12条6項で取り下げられないのは実用新案技術評価の請求であり、出願の取下げを制限する規定はない。
実用新案法12条1項は、実用新案登録出願又は実用新案登録については何人も特許庁長官に実用新案技術評価を請求することができると定め、同条6項は、この請求は取り下げることができないと定める。技術評価は無審査で登録される実用新案の有効性を客観的に示す資料として作られるもので、請求があれば審査官が評価書を作成し、出願人や権利者でない者の請求でもその旨が通知される。請求の取下げを認めると、不利な評価を予想した請求人が途中で引き揚げて評価の存在を隠せることになるから、取下げを禁じたのである。これに対し出願そのものを取り下げるかどうかは出願人の自由であり、評価の請求があった後に出願の取下げを禁じる規定は置かれていない。出願が取り下げられれば評価の対象がなくなるだけである。枝は、取り下げられないものを請求から出願に置き換えている点で誤っている。なお、出願人又は権利者でない者の請求の後に実用新案登録に基づく特許出願がされたときは、その請求はされなかったものとみなされる(7項)。

第一項の規定による請求は、取り下げることができない。
正しい。実用新案法12条2項は、技術評価の請求は実用新案権の消滅後もできるが無効審判により無効にされた後はできないとし、同条3項は、実用新案登録に基づく特許出願がされた後はできないと定める。
実用新案法12条2項は、実用新案技術評価の請求は実用新案権の消滅後においてもすることができると定め、ただし書で、実用新案登録無効審判により無効にされた後はこの限りでないとする。さらに同条3項は、前二項の規定にかかわらず、その実用新案登録に基づいて特許法46条の2第1項の規定による特許出願がされた後はすることができないと定める。権利が存続期間の満了などで消滅した後も、存続中の実施について損害賠償の争いが残り得るので、その有効性を評価する資料は必要であるが、無効審決が確定して初めから存在しなかったものとみなされた登録には評価すべき対象がない。実用新案登録に基づく特許出願がされた場合は、実用新案権が放棄されて特許出願の審査に移るので、もはや実用新案としての評価を作る意味がない。枝は2項と3項をそのまま述べたものであり、条文のとおりである。

前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
- 請求できる者:何人もできる。二以上の請求項に係るときは請求項ごとに請求できる(1項)
- 時期:出願中でも権利の消滅後でもできる。無効審判で無効にされた後と、実用新案登録に基づく特許出願がされた後はできない(2項・3項)
- 取下げ:請求は取り下げることができない(6項)
- 出願人・権利者でない者の請求の後に実用新案登録に基づく特許出願がされたときは、請求はされなかったものとみなす(7項)
