この議定書を締結した国(以下「国である締約国」という。)は、1967年にストックホルムで改正され及び1979年に修正された標章の国際登録に関するマドリッド協定(以下「マドリッド協定(ストックホルム改正協定)」という。)の当事国であるかどうかを問わず、同協定の当事国で構成する同盟の構成国であるものとし、また、この議定書を締結した第14条(1)(b)に規定する政府間機関(以下「締約国際機関」という。)は、当該同盟の構成国であるものとみなす。この議定書においては、国である締約国及び締約国際機関を「締約国」と総称する。
1標章について、いずれかの締約国の官庁に標章登録出願をした場合又はいずれかの締約国の官庁の登録簿に標章登録がされた場合には、当該標章登録出願(以下「基礎出願」という。)又は当該標章登録(以下「基礎登録」という。)の名義人は、この議定書の規定に従うことを条件として、世界知的所有権機関(以下「機関」という。)の国際事務局(以下「国際事務局」という。)の登録簿(以下「国際登録簿」という。)への標章登録(以下「国際登録」という。)を受けることにより、当該標章の保護をすべての締約国の領域において確保することができる。ただし、次の条件を満たす場合に限る。 (i) 国である締約国の官庁に基礎出願をし又は基礎登録がされた場合には、当該基礎出願又は当該基礎登録の名義人が、当該国である締約国の国民であるか又は当該国である締約国に住所若しくは現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有していること。 (ii) 締約国際機関の官庁に基礎出願をし又は基礎登録がされた場合には、当該基礎出願又は当該基礎登録の名義人が、当該締約国際機関の構成国の国民であるか又は当該締約国際機関の領域内に住所若しくは現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有していること。
2国際登録の出願(以下「国際出願」という。)は、基礎出願を受理し又は基礎登録をした官庁(以下「本国官庁」という。)を通じ、国際事務局に対して行う。
3この議定書において「官庁」又は「締約国の官庁」というときは、締約国のために標章登録を担当する官庁をいうものとし、「標章」というときは、商標及びサービス・マークをいうものとする。
4この議定書の適用上、「締約国の領域」とは、国である締約国についてはその領域、締約国際機関についてはその締約国際機関を設立する条約が適用される領域をいう。
1この議定書に基づくすべての国際出願は、規則に定める様式の願書によって行う。本国官庁は、国際出願の願書の記載事項が基礎出願又は基礎登録の記載事項と一致している旨を証明する。この場合の基礎出願又は基礎登録の記載事項は、本国官庁による証明の時点におけるものとする。更に、本国官庁は、次の事項を当該願書に記載する。 (i)基礎出願については当該基礎出願の日及び番号 (ii)基礎登録については当該基礎登録の日及び番号並びに当該基礎登録の出願の日及び番号本国官庁は、また、自己が国際出願を受理した日を当該願書に記載する。
2出願人は、保護を受けようとする標章に係る商品及びサービスを指定しなければならず、可能な場合には、標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定に規定する国際分類に従って1又は2以上の類を指定する。出願人が類を指定しなかった場合には、国際事務局が指定された商品及びサービスについて当該国際分類中の適当な類を指定する。出願人が指定した類は、国際事務局が本国官庁と協力して行う調整に服するものとする。本国官庁と国際事務局との間で意見の相違がある場合には、国際事務局の意見が優先する。
3出願人は、標章の識別性のある特徴として色彩を主張する場合には、次の(i)及び(ii)の規定に従って国際出願をしなければならない。 (i)色彩を主張する旨を記載し、かつ、主張する色彩又はその組合せを国際出願に際して明示的に特定する。 (ii)当該標章の色彩を施した写しを国際出願に際して提出する。この写しは、国際事務局による通報に添付される。この写しの必要数は、規則で定める。
4国際事務局は、前条の規定に従って出願された標章を直ちに登録する。本国官庁が国際出願を受理した日から2箇月の期間内に国際事務局が国際出願を受理したときは、当該本国官庁が国際出願を受理した日を国際登録の日とし、当該2箇月の期間の満了後に国際事務局が国際出願を受理したときは、国際事務局が国際出願を受理した日を国際登録の日とする。国際事務局は、関係官庁に対し国際登録を遅滞なく通報する。国際登録簿に登録された標章は、国際出願の記載事項に基づき、国際事務局が定期的に発行する公報に掲載する。
5国際登録簿に登録された標章の公表のため、官庁は、第10条に規定する総会(以下「総会」という。)で定める条件に従い、(4)の公報を無料で一定の部数ずつ及び割引価格で一定の部数ずつ国際事務局から受領する。当該標章は、このような方法によりすべての締約国との関係において十分に公表されたものとみなし、かつ、その国際登録の名義人が他の方法による公表を求められることはないものとする。
この条文が問われた枝 2問
正しい。議定書3条(3)は、標章の識別性のある特徴として色彩を主張する出願人に、その旨の記載と色彩の特定((i))及び色彩を施した標章の写しの提出((ii))を求めている。
マドリッド協定議定書3条(3)は、出願人は、標章の識別性のある特徴として色彩を主張する場合には、色彩を主張する旨を記載し、かつ、主張する色彩又はその組合せを国際出願に際して明示的に特定すること((i))、及び当該標章の色彩を施した写しを国際出願に際して提出すること((ii))に従って国際出願をしなければならないと定め、この写しは国際事務局による通報に添付され、必要数は規則で定めるとする。各指定締約国の官庁は国際事務局の通報を受けて自国の法令で保護の可否を判断するから、色彩を識別性の要素として主張するなら、どの色彩かと色彩を施した標章の姿を国際出願の段階で確定させ、各官庁に同じ資料が届くようにする必要がある。同条(2)が商品及びサービスをニース協定の国際分類に従って指定させるのと同じく、各国での審査の前提を国際出願で揃える規定である。枝は3条(3)の内容のとおりであり正しい。

出願人は、標章の識別性のある特徴として色彩を主張する場合には、次の(i)及び(ii)の規定に従って国際出願をしなければならない。(i)色彩を主張する旨を記載し、かつ、主張する色彩又はその組合せを国際出願に際して明示的に特定する。(ii)当該標章の色彩を施した写しを国際出願に際して提出する。この写しは、国際事務局による通報に添付される。この写しの必要数は、規則で定める。
正しい。マドリッド協定議定書3条(2)が、出願人が指定した類は国際事務局が本国官庁と協力して行う調整に服すると定め、4条(1)(b)が、類の指定は標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではないと定めている。
マドリッド協定議定書3条(2)は、出願人は保護を受けようとする標章に係る商品及びサービスを指定し、可能な場合にはニース協定の国際分類に従って一又は二以上の類を指定するとしたうえで、出願人が指定した類は国際事務局が本国官庁と協力して行う調整に服し、本国官庁と国際事務局との間で意見の相違がある場合には国際事務局の意見が優先すると定める。4条(1)(b)は、3条に規定する商品及びサービスについての類の指定は、標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではないと定める。類は国際登録簿の整理と手数料の算定(8条(2)(ii))のための区分であり、保護の範囲は各締約国がその法令に従って商品・サービスの記載から判断するものであって、どの類に入れたかで決まるものではないという理屈である。日本の商標法6条3項が区分は類似の範囲を定めるものではないとするのと同じ考え方である。枝は両規定のとおりであり正しい。

第3条に規定する商品及びサービスについての類の指定は、標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではない。
国際登録による標章の保護の効果は、国際出願の出願人又は国際登録の名義人がいずれかの締約国を指定した場合においてのみ当該いずれかの締約国に及ぶものとする。ただし、その官庁が本国官庁に当たる締約国については、そのような指定を行うことができない。
この条文が問われた枝 1問
誤り。違うのは「その官庁が本国官庁に当たる締約国であっても、そのような指定を行うことができる」の部分である。議定書3条の2ただし書は、その官庁が本国官庁に当たる締約国については指定を行うことができないとする。
議定書3条の2は、国際登録による標章の保護の効果は、国際出願の出願人又は国際登録の名義人がいずれかの締約国を指定した場合においてのみ当該いずれかの締約国に及ぶものとすると定め、ただし書で、その官庁が本国官庁に当たる締約国については、そのような指定を行うことができないとする。議定書の国際登録は、本国官庁にした基礎出願又は基礎登録を土台にして他の締約国に保護を広げる仕組みであり、本国では基礎出願や基礎登録そのものが保護の根拠になるので、本国を指定して国際登録の効果を重ねて及ぼす必要がなく、6条(3)の従属の関係も本国の基礎出願等を基準に組まれているから、本国の指定は認められていない。枝は前段の指定による領域的効果を正しく述べたうえで、ただし書と逆に本国官庁の締約国も指定できるとしているので誤りである。日本を本国官庁とする国際出願では、日本を指定することはできず、日本での保護は基礎出願又は基礎登録によることになる。

国際登録による標章の保護の効果は、国際出願の出願人又は国際登録の名義人がいずれかの締約国を指定した場合においてのみ当該いずれかの締約国に及ぶものとする。ただし、その官庁が本国官庁に当たる締約国については、そのような指定を行うことができない。
1国際出願に際しては、国際登録による標章の保護の効果が及ぶ領域としていずれの締約国を指定するかを特に記載する。
2領域指定は、標章の国際登録の後においても行うことができる。この領域指定は、規則に定める様式に従って行う。国際事務局は、領域指定を直ちに記録し、当該領域指定を関係官庁に対し遅滞なく通報する。記録された領域指定は、国際事務局が定期的に発行する公報に掲載する。領域指定は、当該領域指定が国際登録簿に記録された日から効力を生じ、当該領域指定に係る国際登録の存続期間の満了によりその効力を失う。
1(a) 第3条及び前条の規定に従って行われた標章の国際登録又は領域指定の記録の日から、当該標章は、関係締約国において、標章登録を当該関係締約国の官庁に直接求めていたならば与えられたであろう保護と同一の保護を与えられるものとする。第5条(1)及び(2)の規定に基づく拒絶の通報が国際事務局に対して行われなかった場合又はそのような拒絶の通報がその後に取り消された場合には、標章の国際登録又は領域指定の記録の日から、当該標章は、関係締約国において、当該関係締約国の官庁による登録を受けていたならば与えられたであろう保護と同一の保護を与えられるものとする。 (b) 第3条に規定する商品及びサービスについての類の指定は、標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではない。
2すべての国際登録について、その名義人は、工業所有権の保護に関するパリ条約第4条Dに定める手続に従うことを要することなく、同条に定める優先権を有する。
この条文が問われた枝 1問
正しい。マドリッド協定議定書3条(2)が、出願人が指定した類は国際事務局が本国官庁と協力して行う調整に服すると定め、4条(1)(b)が、類の指定は標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではないと定めている。
マドリッド協定議定書3条(2)は、出願人は保護を受けようとする標章に係る商品及びサービスを指定し、可能な場合にはニース協定の国際分類に従って一又は二以上の類を指定するとしたうえで、出願人が指定した類は国際事務局が本国官庁と協力して行う調整に服し、本国官庁と国際事務局との間で意見の相違がある場合には国際事務局の意見が優先すると定める。4条(1)(b)は、3条に規定する商品及びサービスについての類の指定は、標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではないと定める。類は国際登録簿の整理と手数料の算定(8条(2)(ii))のための区分であり、保護の範囲は各締約国がその法令に従って商品・サービスの記載から判断するものであって、どの類に入れたかで決まるものではないという理屈である。日本の商標法6条3項が区分は類似の範囲を定めるものではないとするのと同じ考え方である。枝は両規定のとおりであり正しい。

第3条に規定する商品及びサービスについての類の指定は、標章に与える保護の範囲を決定するに際して締約国を拘束するものではない。
1いずれかの締約国の官庁による国内登録又は広域登録の対象である標章が国際登録の対象でもあり、かつ、その名義人が国際登録の名義人と同一である場合には、当該国際登録は、当該国内登録又は広域登録により生ずるすべての権利を害することなく、かつ、次の(i)から(iii)までの条件を満たすことを条件として、当該国内登録又は広域登録に代替することができるものとみなす。 (i) 国際登録による標章の保護の効果が第3条の3(1)又は(2)の規定に基づいて当該締約国に及んでいること (ii) 国内登録又は広域登録において指定されたすべての商品及びサービスが当該締約国に係る国際登録においても指定されていること。 (iii) (i)に規定する効果が国内登録又は広域登録の日の後に生じていること
2(1)に規定する官庁は、求めに応じ、自己の登録簿に国際登録について記載しなければならない。
この条文が問われた枝 1問
正しい。議定書4条の2(1)は、同一名義人の国内登録と国際登録が同じ標章を対象とし(i)〜(iii)の条件を満たす場合、国際登録は国内登録による権利を害することなくこれに代替することができるものとみなすと定める。
マドリッド協定議定書4条の2(1)は、いずれかの締約国の官庁による国内登録又は広域登録の対象である標章が国際登録の対象でもあり、かつその名義人が国際登録の名義人と同一である場合には、当該国際登録は、当該国内登録又は広域登録により生ずるすべての権利を害することなく、次の条件を満たすことを条件として、当該国内登録又は広域登録に代替することができるものとみなすと定める。条件は、国際登録の保護の効果が領域指定に基づいて当該締約国に及んでいること、国内登録等で指定されたすべての商品及びサービスが当該締約国に係る国際登録でも指定されていること、その効果が国内登録等の日の後に生じていることの三つである。先に各国で登録していた名義人が後から国際登録に一本化するとき、国内登録の先行する地位を失わずに管理を移せるようにしたものである。枝は(1)の要件と効果をそのまま述べており正しい。

いずれかの締約国の官庁による国内登録又は広域登録の対象である標章が国際登録の対象でもあり、かつ、その名義人が国際登録の名義人と同一である場合には、当該国際登録は、当該国内登録又は広域登録により生ずるすべての権利を害することなく、かつ、次の(i)から(iii)までの条件を満たすことを条件として、当該国内登録又は広域登録に代替することができるものとみなす。(i)国際登録による標章の保護の効果が第3条の3(1)又は(2)の規定に基づいて当該締約国に及んでいること (ii)国内登録又は広域登録において指定されたすべての商品及びサービスが当該締約国に係る国際登録においても指定されていること。(iii)(i)に規定する効果が国内登録又は広域登録の日の後に生じていること
- 標章が同一で、国内登録又は広域登録の名義人と国際登録の名義人が同一であること
- 国際登録の保護の効果が領域指定に基づいて当該締約国に及んでいること
- 国内登録等で指定されたすべての商品・サービスが当該締約国に係る国際登録でも指定されていること
- 国際登録の効果が国内登録等の日の後に生じていること
- 効果:国内登録等により生ずるすべての権利を害することなく代替することができるものとみなす。官庁は求めに応じて登録簿に国際登録を記載する
1第3条の3(1)又は(2)の規定に基づき国際登録による標章の保護について国際事務局から領域指定の通報を受けた締約国の官庁は、関係法令が認める場合には、当該締約国においては当該標章に対する保護を与えることができない旨を拒絶の通報において宣言する権利を有する。このような拒絶は、当該拒絶の通報を行う官庁に直接求められた標章登録について工業所有権の保護に関するパリ条約上援用可能な理由に基づく場合にのみ行うことができる。もっとも、一定数以上の類又は一定数以上の商品若しくはサービスを指定する標章登録が関係法令上認められないという理由のみによっては、保護の拒絶は、部分的な拒絶であってもこれを行うことができない。
2(a) (1)の権利を行使しようとする官庁は、関係法令に定める期間内に、かつ、国際事務局が(1)に規定する領域指定の通報を当該官庁に行った日から、(b)及び(c)に規定する場合を除くほか、遅くとも1年の期間が満了する前に、国際事務局に対し、すべての拒絶の理由を記載した文書と共に拒絶の通報を行う。 (b) (a)の規定にかかわらず、締約国は、この議定書に従って行われた国際登録については、(a)に規定する1年の期間を18箇月の期間とする旨を宣言することができる。 (c) (b)の宣言には、保護の拒絶が当該保護を与えることに対する異議の申立ての結果行われる可能性がある場合には、締約国の官庁から国際事務局に対する当該拒絶の通報が18箇月の期間の満了後においても行われることがある旨を明示することができる。当該官庁は、いずれの国際登録についても、次の(i)及び(ii)の条件を満たす場合にのみ、18箇月の期間の満了後に保護の拒絶を通報することができる。 (i) 18箇月の期間の満了後に異議が申し立てられる可能性のあることを当該期間の満了前に国際事務局に通報していること。 (ii) 異議の申立てに基づく拒絶の通報を異議申立期間の満了の時から1箇月以内で、かつ、いかなる場合においても、当該異議申立期間の開始の日から7箇月以内に行うこと。 (d) (b)又は(c)の規定に基づく宣言は、第14条(2)に規定する批准書、受諾書、承認書又は加入書において行うことができるものとし、その効力は、当該宣言を行った国又は政府間機関についてこの議定書が効力を生ずる日に生ずる。また、この宣言は、その後においても行うことができるものとし、この場合に当該宣言は、その効力が生ずる日以降の日を国際登録の日とする国際登録について、機関の事務局長(以下「事務局長」という。)が当該宣言を受領した後3箇月で又は当該宣言において指定されたそれ以降の日に効力を生ずる。 (e) 総会は、この議定書の効力発生から10年を経過したときは、(a)から(d)までの規定により設けられた制度の運用状況を調査する。これらの規定は、その後において、総会の全会一致の決定により修正することができる(注)。 注 マドリッド同盟総会により採択された解釈声明 この議定書の第5条(2)(e)は、(a)から(d)までの規定により設けられた制度の運用状況について引き続き検討を行うことを総会に認めるものと了解し、また、これらの規定の修正には、総会の全会一致の決定を必要するものと了解する
3国際事務局は、国際登録の名義人に拒絶の通報の写し1通を遅滞なく送付する。当該名義人は、拒絶の通報を行った官庁に標章登録を自ら直接求めていたならば与えられたであろう救済手段を与えられる。国際事務局は、(2)(c)(i)の規定に基づく通報を受領した場合には、国際登録の名義人に当該通報を遅滞なく送付する。
4標章の保護を拒絶する理由は、求めに応じ、すべての利害関係者に対して国際事務局が通報する。
5いずれかの国際登録について、(1)及び(2)の規定に従い暫定的又は最終的な拒絶の通報を国際事務局に対して行わなかった官庁は、当該国際登録につき(1)に定める権利を主張する利益を失う。
6締約国の領域における国際登録の効果に関するその締約国の権限のある当局による無効の決定は、当該国際登録の名義人に自己の権利を防御する機会を適時に与えることなく行うことができない。無効の決定については、国際事務局に通報する。
紋章、盾形、肖像、尊称、称号、商号、出願人以外の者の氏名又は名称その他これらに類する表示等特定の要素を使用して標章を構成することについての正当性に関する証拠書類であって締約国の官庁が要求するものは、本国官庁による認証及び証明を除くほか、いかなる認証及び証明も免除される
1国際事務局は、すべての申請者に対し、規則に定める手数料の支払を受けて、特定の標章についての国際登録簿における記載事項の写しを交付する。
2国際事務局は、費用の支払を受けて、ある標章に先行する標章が国際登録の対象である標章中にあるかどうかを調査することができる。
31の締約国における提出のために請求された国際登録簿の抄本は、いかなる追加的な認証も免除される。
1国際事務局における標章登録の存続期間は、10年とし、及び次条に定める条件に従って更新することができる。
2国際登録は、当該国際登録の日から5年の期間が満了したときは、(3)及び(4)に規定する場合を除くほか、基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録から独立した標章登録を構成するものとする。
3国際登録による標章の保護については、当該国際登録が移転の対象となったかどうかを問わず、その国際登録の日から5年の期間が満了する前に、基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録が取り下げられ、消滅し、放棄され又は、確定的な決定により、拒絶され、抹消され、取り消され若しくは無効とされた場合には、当該国際登録において指定された商品及びサービスの全部又は一部について主張することができない。当該5年の期間の満了前に次の(i)、(ii)又は(iii)の手続が開始され、当該5年の期間の満了後に基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録が確定的な決定により、拒絶され、抹消され、取り消され、無効とされ又は取下げを命ぜられた場合においても、同様とする。 また、当該5年の期間の満了後に基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録が取り下げられ又は放棄された場合であって、当該基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録がその取下げ又は放棄の時に次の(i)、(ii)又は(iii)の手続の対象であり、かつ、当該手続が当該5年の期間の満了前に開始された場合においても、同様とする。 (i) 基礎出願の効果を否認する決定に対する不服の申立て (ii) 基礎出願の取下げを求める申立て又は基礎出願による登録若しくは基礎登録の抹消、取消し若しくは無効を求める申立て (iii) 基礎出願に対する異議の申立て
4本国官庁は、規則の定めるところにより、国際事務局に対し(3)の規定に関連する事実及び決定を通報するものとし、国際事務局は、規則の定めるところにより、当該事実及び決定を利害関係者に通報し、かつ、これを公表する。本国官庁は、該当する範囲について国際登録の取消しを国際事務局に請求するものとし、国際事務局は、当該範囲について国際登録を取り消す。
この条文が問われた枝 2問
正しい。議定書6条(3)後段は、5年の期間の満了前に基礎出願の取下げを求める申立ての手続が開始され、満了後に基礎出願が確定的な決定により取下げを命ぜられた場合も、国際登録による保護を主張できないとしている。
議定書6条(2)は、国際登録は国際登録の日から5年の期間が満了したときは基礎出願等から独立した標章登録を構成するとし、(3)前段は、5年の期間が満了する前に基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録が取り下げられ、消滅し、放棄され又は確定的な決定により拒絶され、抹消され、取り消され若しくは無効とされた場合には、国際登録による保護は指定された商品及びサービスの全部又は一部について主張することができないと定める。後段は、5年の期間の満了前に(i)基礎出願の効果を否認する決定に対する不服の申立て、(ii)基礎出願の取下げを求める申立て又は基礎登録等の抹消、取消し若しくは無効を求める申立て、(iii)基礎出願に対する異議の申立ての手続が開始され、満了後に確定的な決定により取下げを命ぜられる等した場合も同様とする。5年の経過前に手続を始めた者が手続の長さのせいで従属の効果を受けられなくなるのは不合理であるから、開始の時期で線を引いたものである。枝は(ii)の申立てを後段に当てはめた内容である。

当該5年の期間の満了前に次の(i)、(ii)又は(iii)の手続が開始され、当該5年の期間の満了後に基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録が確定的な決定により、拒絶され、抹消され、取り消され、無効とされ又は取下げを命ぜられた場合においても、同様とする。
- 原則:国際登録の日から5年の期間が満了する前に基礎出願等が取下げ・消滅・放棄・確定的な拒絶・抹消・取消し・無効となれば、国際登録による保護は主張できない
- 満了前に始まった手続:不服の申立て、取下げ・抹消・取消し・無効を求める申立て、異議の申立てが5年の満了前に開始されていれば、満了後に確定しても同様である
- 満了後の取下げ・放棄:取下げ又は放棄の時に上の手続の対象であり、その手続が満了前に開始されていれば同様である
- 救済:9条の5により、取り消された国際登録を各指定締約国の国内出願に転換できる
誤り。違うのは「国際登録は基礎登録から独立した標章登録を構成する」の部分である。議定書6条(3)は、5年の期間の満了前に基礎登録の無効を求める手続が開始されていれば、満了後に確定的な決定で無効とされた場合も国際登録による保護を主張できないとする。
マドリッド協定の議定書6条(2)は、国際登録の日から5年の期間が満了したときに、国際登録が基礎出願、基礎出願による登録又は基礎登録から独立したものとなると定める。5年の間は国際登録が本国の基礎登録に従属し、6条(3)により、その期間の満了前に基礎登録が取り下げられ、消滅し、放棄され、又は確定的な決定により拒絶、抹消、取消し若しくは無効とされた場合には、国際登録による保護を指定された商品及びサービスの全部又は一部について主張することができなくなる。これがいわゆるセントラルアタックである。同項の後段は、5年の期間の満了前に基礎登録の取消しや無効を求める手続が開始され、確定的な決定が5年の満了後に出た場合にも同じ扱いをすると定める。手続の開始が5年以内であれば、結果が後から確定しても従属の効果を免れないので、枝の場合には国際登録は独立したものにならず、保護を主張できなくなる。日本の商標法では、68条の20第2項により、国際登録に基づく商標権はその消滅した範囲で消滅したものとみなされる。

(1) 標章の国際登録は、10年の期間について効力を有し、更新することができる。
(3) 国際登録の日から5年の期間が満了する前に基礎出願又は基礎登録が拒絶、取下げ、消滅等により効力を失った場合には、国際登録による保護は主張することができなくなる(いわゆるセントラルアタック)。
1国際登録の存続期間は、次条(2)に規定する基本手数料並びに、同条(7)に規定する場合を除くほか、同条(2)に規定する追加手数料及び付加手数料の支払のみにより、10年の当該存続期間の満了の時から更に10年間の更新を行うことができる。
2存続期間の更新は、国際登録の最新の態様にいかなる変更ももたらすものではない。
3国際事務局は、国際登録の名義人及びその代理人がある場合には当該代理人に対し、国際登録の存続期間が満了する6箇月前に非公式の通報を行うことにより、当該存続期間が満了する正確な日付について注意を喚起する。
4規則に定める割増手数料の支払により、6箇月の猶予期間が国際登録の存続期間の更新について認められる。
この条文が問われた枝 2問
正しい。マドリッド協定議定書7条(2)が、存続期間の更新は国際登録の最新の態様にいかなる変更ももたらすものではないと定めている。
マドリッド協定議定書6条(1)は国際事務局における標章登録の存続期間を10年とし、7条(1)は、国際登録の存続期間は基本手数料並びに追加手数料及び付加手数料の支払のみにより10年の存続期間の満了の時から更に10年間の更新を行うことができると定め、7条(2)は、存続期間の更新は国際登録の最新の態様にいかなる変更ももたらすものではないと定める。更新は手数料の支払だけで同じ内容の国際登録を続ける手続であるから、標章や指定商品・サービスを変えることはできず、名義人や指定の変更は国際登録簿の記録の変更(9条・9条の2)という別の手続によるという仕組みである。7条(3)は国際事務局が満了の6箇月前に非公式の通報で満了の日付について注意を喚起すると定め、7条(4)は割増手数料の支払により6箇月の猶予期間を認める。枝は条文のとおりであり正しい。

存続期間の更新は、国際登録の最新の態様にいかなる変更ももたらすものではない。
誤り。違うのは「本国官庁は、国際登録の名義人及びその代理人がある場合には当該代理人に対し」の部分である。議定書7条(3)で存続期間の満了の6月前に非公式の通報を行うのは国際事務局であり、本国官庁ではない。
議定書7条(1)は、国際登録は直前の存続期間の満了の時から10年ごとに更新することができると定め、同条(3)は、国際事務局は、存続期間が満了する6月前に、国際登録の名義人及び代理人がある場合にはその代理人に対し、非公式の通報を行うことにより、存続期間が満了する正確な日付について注意を喚起すると定める。国際登録は国際事務局が管理する国際登録簿に記録され、その更新も名義人が国際事務局に手数料を納付して行うものであるから、満了日を把握して名義人に知らせる役割も国際登録簿を持つ国際事務局が担う。本国官庁は基礎出願又は基礎登録に基づく国際出願を取り次ぐ官庁であり、68条の5により更新の申請を特許庁長官を通じてすることはできるが、議定書が本国官庁に満了日の通報をさせる規定はない。本枝は通報の主体を本国官庁としており、誤りである。なお、通報は非公式のものであるから、通報がなくても更新の期間は変わらない。

国際事務局は、存続期間が満了する六箇月前に、国際登録の名義人及び、代理人がある場合には、その代理人に対し、非公式の通報を行うことにより、当該存続期間が満了する正確な日付について注意を喚起する。
1本国官庁は、国際出願又は国際登録の更新について、それぞれの出願人又は名義人に対し自己の裁量により定める手数料の支払を求め、かつ、当該手数料を自己の収入として徴収することができる。
2国際事務局における標章登録を受けるに当たっては、(7)(a)に規定する場合を除くほか、次の国際手数料を前払しなければならない。 (i) 基本手数料 (ii) 標章を使用する商品又はサービスの属する国際分類の類の数が3を超える場合における一類ごとについての追加手数料 (iii) 第3条の3の規定に基づく領域指定についての付加手数料
3(2)(ii)に規定する追加手数料については、商品又はサービスの類の数が国際事務局によって決定され又は争われた場合には、規則に定める期間内に支払うことができる。ただし、このことは、国際登録の日の日付を変更するものではない。当該期間の満了の時に、出願人が追加手数料を支払っていない場合又は指定される商品若しくはサービスの指定を必要な範囲にまで減縮していない場合には、国際出願は、放棄されたものとみなす。
4国際登録による各種の収入((2)(ii)及び(iii)に規定する手数料の収入を除く。)の年間の総額は、この議定書の実施に要した費用を控除した後に国際事務局がすべての締約国に平等に配分する。
5(2)(ii)に規定する追加手数料の収入総額は、各年の終了に当たり、当該各年において各締約国が標章の保護につき領域指定の通報を受けた件数(標章登録に際して審査を要件とする締約国については規則に定める係数を当該件数に乗じて得た数)に応じて関係締約国に比例配分する。
6(2)(iii)に規定する付加手数料の収入総額は、(5)に定める方法と同一の方法により関係締約国に配分する。
7(a) 締約国は、第3条の3の規定に基づき自国を指定する国際登録及び当該国際登録の更新について、追加手数料及び付加手数料による収入の配分を受けることに代えて個別の手数料(以下「個別手数料」という。)の支払を受けることを希望する旨を宣言することができる。個別手数料の額については、その宣言において指定するものとし、その後の宣言において変更することができる。もっとも、個別手数料の額は、当該締約国の官庁が自己の登録簿における10年の存続期間の標章登録をするため又は当該標章登録の存続期間を10年間更新するために当該標章登録の名義人に支払わせることのできる額から国際手続の利用による節約分を減じた額に相当する額を上回ることができない。このような個別手数料が支払われる場合には、次の規定が適用されるものとする。 (i) (2)(ii)に規定する追加手数料は、この(a)の規定に基づく宣言を行った締約国のみを第3条の3の規定に基づいて指定したときは、支払う必要がない。 (ii) (2)(iii)に規定する付加手数料は、この(a)の規定に基づく宣言を行った締約国については、支払う必要がない。 (b) (a)の規定に基づく宣言は、第14条(2)に規定する批准書、受諾書、承認書又は加入書において行うことができるものとし、その効力は、当該宣言を行った国又は政府間機関についてこの議定書が効力を生ずる日に生ずる。また、この宣言は、その後においても行うことができるものとし、この場合に当該宣言は、その効力が生ずる日以降の日を国際登録の日とする国際登録について、事務局長が当該宣言を受領した後3箇月で又は当該宣言において指定されたそれ以降の日に効力を生ずる。
国際事務局は、国際登録が領域内で効力を有する締約国の全部若しくは一部について又は国際登録において指定された商品及びサービスの全部若しくは一部について国際登録の名義人の変更が生じた場合には、当該国際登録の従前の名義人からの請求又は関係官庁からの職権による若しくは利害関係者の求めに応じた請求により、当該変更を国際登録簿に記録する。ただし、新たな名義人が第2条(1)の規定に基づき国際出願をする資格を有する者である場合に限る。
この条文が問われた枝 1問
誤り。違うのは「指定された商品及びサービスの一部についてすることはできない」の部分である。議定書9条は商品及びサービスの一部についての名義人の変更も認め、68条の6第2項も指定された商品若しくは役務ごとの記録の請求を認めている。
議定書9条は、国際登録が効力を有する締約国の全部若しくは一部について、又は指定された商品及びサービスの全部若しくは一部について国際登録の名義人の変更が生じたときに、国際事務局がこれを国際登録簿に記録すると定める。これを受けて68条の6第1項は、国際登録の名義人又はその譲受人が名義人の変更の記録の請求を特許庁長官にすることができると定め、同条2項は、その請求は国際登録において指定された商品若しくは役務ごと又は国際登録が効力を有する締約国ごとにすることができると定める。国内でも商標権の譲渡は指定商品又は指定役務ごとに分割してできる(24条の2第1項)のと同じく、国際登録でも商品又はサービスの一部だけを他人に移す必要があるため、締約国の単位でも商品及びサービスの単位でも名義人の変更ができるようにしている。したがって商品及びサービスの一部についての名義人の変更はでき、枝は誤りである。

前項に規定する請求は、国際登録において指定された商品若しくは役務ごと又は国際登録が効力を有する締約国ごとにすることができる。
- 事後指定(68条の4):国際登録後の領域指定
- 国際登録の存続期間の更新の申請(68条の5)
- 国際登録の名義人の変更の記録の請求(68条の6):指定された商品若しくは役務ごと、又は締約国ごとにできる
- いずれも国際事務局に直接することもできる
国際事務局は、国際登録簿に次の事項を記録する。 (i) 国際登録の名義人の氏名若しくは名称又は住所の変更 (ii) 国際登録の名義人の代理人の選任及び当該代理人に関する他の関連事項 (iii) 国際登録において指定された商品及びサービスに関し締約国の全部又は一部について付された限定 (iv) 国際登録に関し締約国の全部又は一部について行われた放棄、取消し又は無効 (v) 国際登録の対象である標章についての権利に関する他の関連事項であって規則に定めるもの
この条文が問われた枝 1問
誤り。違うのは「拒絶理由の通知を受けた後に事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限られる」の部分である。この時期の制限は68条の28第1項が特許庁に対する指定商品又は指定役務の補正に置くもので、議定書9条の2(iii)の限定は国際事務局に記録を請求する手続であり、そのような制限はない。
議定書9条の2(iii)は、国際登録において指定された商品及びサービスについて、指定された締約国の全部又は一部に関する限定を国際登録簿に記録することを定めており、名義人は国際事務局に記録を請求して、指定した商品又はサービスの範囲を狭めることができる。これに対し68条の28第1項は、国際商標登録出願については、15条の2又は15条の3の拒絶理由の通知を受けた後は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り、願書に記載した指定商品又は指定役務について補正をすることができると定める。出願の範囲は国際登録簿で決まるので、特許庁での補正は拒絶理由への応答に限り、それ以外の減縮は議定書上の限定で国際登録簿に記録させる役割の分担である。したがって拒絶理由の通知を受けた後の係属中に限られるのは特許庁に対する補正であって、議定書9条の2(iii)の限定はいつでも国際事務局に請求することができ、枝は誤りである。

国際商標登録出願については、第十五条の二(第五十五条の二第一項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)又は第十五条の三(第五十五条の二第一項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた後は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り、願書に記載した指定商品又は指定役務について補正をすることができる。
- 出願の分割(10条):適用なし(68条の12)
- 出願の変更(11条・65条):適用なし(68条の13)
- 指定商品又は指定役務の補正:拒絶理由の通知を受けた後、審査・審判・再審の係属中に限る(68条の28第1項)
- 商標そのものの補正:できない。商標の詳細な説明とみなされた事項だけ68条の40で補正できる(68条の28第2項)
- 指定商品又はサービスの減縮:議定書9条の2(iii)の限定として国際事務局に記録を請求する
第9条又は前条の規定に基づく記録をすることについては、手数料の支払を条件とすることができる。
12以上の国である締約国が標章に関するそれぞれの国内法令を相互に統一することを合意したときは、これらの国である締約国は、事務局長に次のことを通報することができる。 (i)1の共通の官庁がこれらの国である締約国それぞれの官庁を代行すること。 (ii)前各条、次条及び第9条の6の規定の全部又は一部の適用上、これらの国である締約国がそれらの領域の全体にわたって単一の国とみなされること。
2(1)の規定に従って通報された内容は、事務局長が他のすべての締約国に対して当該内容を通報した日の後3箇月を経過するまでは、有効とならない。
国際登録が、当該国際登録において指定された商品及びサービスの全部又は一部につき第6条(4)の規定に基づく本国官庁の請求により取り消された場合において、当該国際登録に係る領域指定が行われていた締約国の官庁に対し当該国際登録の名義人であった者が同一の標章に係る標章登録出願をしたときは、当該標章登録出願は、次の(i)から(iii)までの条件を満たすことを条件として、第3条(4)に規定する国際登録の日又は第3条の3(2)に規定する領域指定の記録の日に行われたものとみなし、かつ、当該国際登録についてその名義人が優先権を有していた場合には、当該名義人であった者は、同一の優先権を有するものとする。 (i) 標章登録出願が国際登録の取り消された日から3箇月以内に行われること。 (ii) 標章登録出願において指定された商品及びサービスが当該締約国に係る国際登録において指定されていた商品及びサービスに実際に含まれること。 (iii) 標章登録出願が手数料の支払を含む関係法令上のすべての要件を満たしていること。
この条文が問われた枝 1問
正しい。68条の32第3項は、国際商標登録出願についてパリ条約4条の優先権が認められていたときは再出願に当該優先権が認められると定めており、改めて優先権を主張する書面の提出は要らない。
68条の32第3項は、同条1項の国際登録に係る国際商標登録出願についてパリ条約4条の規定による優先権が認められていたときは、同項の規定による商標登録出願に当該優先権が認められると定める。通常の商標登録出願で優先権の利益を受けるには、13条1項で準用する特許法43条1項により、その旨並びに最初に出願をしたパリ条約の同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面を出願と同時に特許庁長官に提出しなければならないが、国際商標登録出願の段階で優先権の主張は国際事務局を通じて既にされ、日本で認められていたのであるから、再出願でその手続を繰り返させる必要はない。議定書9条の5も、国際登録が優先権を有していたときは取消し後の出願が同一の優先権を有すると定めており、68条の32第3項はこれを受けた規定である。したがって改めて優先権主張の書面を提出する必要はない。

第一項の国際登録に係る国際商標登録出願についてパリ条約第四条の規定による優先権が認められていたときは、同項の規定による商標登録出願に当該優先権が認められる。
1(a) この議定書及びマドリッド協定(ストックホルム改正協定)の双方を締結した国の相互の関係について、この議定書のみが適用される。 (b) (a)の規定にかかわらず、第5条(2)(b)若しくは(c)又は第8条(7)の規定に基づいて、この議定書及びマドリッド協定(ストックホルム改正協定)の双方を締結した国によって行われた宣言は、この議定書及び同協定の双方を締結した他の国との関係にいかなる影響も及ぼすものではない。
2総会は、2008年9月1日から三年を経過した後は、(1)(b)の規定の適用について検討するものとし、その後いつでも、四分の三以上の多数による議決で、同規定を廃止し、又はその適用範囲を制限することができる。この場合においては、マドリッド協定(ストックホルム改正協定)及びこの議定書の双方を締結した国のみが総会の投票に参加する権利を有する。
1(a) 締約国は、マドリッド協定(ストックホルム改正協定)の当事国と共に同一の総会の構成国となるものとする (b) 各締約国は、総会において1人の代表により代表されるものとし、代表は、代表代理、顧問及び専門家の補佐を受けることができる (c) 各代表団の費用は、その代表団を任命した締約国が負担する。ただし、各締約国の1人の代表の旅費及び滞在費については、同盟の基金から支弁する。
2総会は、マドリッド協定(ストックホルム改正協定)に基づく任務に加えて、次の任務を有する。 (i) この議定書の実施に関するすべての事項を取り扱うこと。 (ii) 国際事務局に対し、この議定書の改正会議の準備に関する指示を与えること。この場合において、締約国でない同盟国の意見を十分に考慮するものとする。 (iii) この議定書の実施に関する規則を採択し及び修正すること。 (iv) この議定書上適切と認める他の任務を遂行すること。
3(a) 各締約国は、総会において1の票を有する。マドリッド協定(ストックホルム改正協定)の当事国のみに関する事項については、同協定の当事国でない締約国は投票権を有しないものとし、また、締約国のみに関する事項については、締約国のみが投票権を有する (b) 各事項に係る総会においての投票については、当該各事項について投票権を有する構成国の2分の1をもって定足数とする。 (c) 総会は、(b)の規定にかかわらず、いずれの会期においても、各事項について投票権を有し、かつ、総会に出席した構成国の数が当該各事項について投票権を有する構成国の2分の1に満たないが3分の1以上である場合には、決定を行うことができる。その決定が総会の手続以外の事項に関する決定である場合には、国際事務局は、当該事項について投票権を有するが総会に出席しなかった構成国に対し、当該決定を通報するとともに、その通報の日から3箇月の期間内に書面によって投票し又は棄権するよう要請する。当該3箇月の期間の満了に当たり、投票権を有するが総会に出席しなかった構成国であって書面によって投票し又は棄権したものの数により当該会期における定足数の不足分が満たされ、かつ、必要多数の賛成が得られている場合に限って、当該決定は、効力を生ずる。 (d) 総会の決定は、第5条(2)(e)、前条(2)、第12条及び第13条(2)に規定する場合を除くほか、投票数の3分の2以上の多数による議決で行う。 (e) 棄権は、投票とみなさない。 (f) 代表は、総会の1の構成国のみを代表し、その構成国の名においてのみ投票することができる。
4総会は、マドリッド協定(ストックホルム改正協定)に定める通常会期及び臨時会期の会合に加えて、いずれかの事項について投票権を有する構成国の4分の1以上の要請があったときは、事務局長の招集により、当該事項を議題とする臨時会期の会合を開催する。このような臨時会期の議事日程は、事務局長が作成する。
1この議定書に基づく国際登録及び関連の任務並びにこの議定書に関連するすべての管理業務は、国際事務局が行う。
2(a) 国際事務局は、総会の指示に従ってこの議定書の改正会議の準備を行う。 (b) 国際事務局は、改正会議の準備に関し政府間機関及び国際的な非政府機関と協議することができる。 (c) 事務局長及びその指名する者は、改正会議における審議に投票権なしで参加する。
3国際事務局は、この議定書に関連して国際事務局に与えられる他の任務を遂行する。
同盟の財政については、マドリッド協定(ストックホルム改正協定)第12条の規定を締約国に準用する。ただし、同条中、同協定第8条の引用はこの議定書第8条の引用に読み替えるものとする。また、同協定第12条(6)(b)の規定の適用上、締約国際機関は、総会が全会一致の議決で別段の決定を行う場合を除くほか、工業所有権の保護に関するパリ条約に基づく分担金の等級Ιに属するものとする。
1第10条からこの条までの規定の修正の提案は、締約国又は事務局長が行うことができる。その提案は、総会による審議の遅くとも6箇月前までに、事務局長が締約国に送付する。
2(1)に規定する条の修正は、総会が採択する。採択には、投票数の4分の3以上の多数による議決を必要とする。ただし、第10条及びこの(2)の規定の修正には、投票数の5分の4以上の多数による議決を必要とする。
3(1)に規定する条の修正は、その修正が採択された時に総会の構成国であって当該修正についての投票権を有していた国及び政府間機関の4分の3から、それぞれの憲法上の手続に従って行われた受諾についての書面による通告を事務局長が受領した後1箇月で効力を生ずる。このようにして受諾された修正は、当該修正が効力を生ずる時に締約国であり又はその後に締約国となるすべての国及び政府間機関を拘束する。
1(a) 工業所有権の保護に関するパリ条約の当事国であるいずれの国も、この議定書を締結することができる。 (b) いずれの政府間機関も、次の(i)及び(ii)の条件を満たす場合には、この議定書を締結することができる。 (i) 当該政府間機関の構成国のうち少なくとも1の国が工業所有権の保護に関するパリ条約の当事国であること。 (ii) 当該政府間機関がその領域内において効力を有する標章の標章登録を担当する1の広域官庁を有していること。ただし、当該広域官庁が第9条の4の規定に基づく通報の対象でない場合に限る。
2(1)に規定する国又は政府間機関は、この議定書に署名することができるものとし、この議定書に署名している場合にはその批准書、受諾書又は承認書を、また、この議定書に署名していない場合にはその加入書を寄託することができる。
3(2)に規定する文書は、事務局長に寄託する。
4(a) この議定書は、4の批准書、受諾書、承認書又は加入書が寄託された後3箇月で効力を生ずる。ただし、これらの文書のうち少なくとも1の文書をマドリッド協定(ストックホルム改正協定)の当事国が寄託し、かつ、これらの文書のうち少なくとも1の文書を同協定の当事国でない国又は(1)(b)に規定する政府間機関が寄託することを条件とする。 (b) (a)に規定する場合を除くほか、この議定書は、(1)に規定する国又は政府間機関について、事務局長が当該国又は政府間機関の批准、受諾、承認又は加入を通報した日の後3箇月で効力を生ずる。
5(1)に規定する国又は政府間機関は、この議定書の批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託の際に、この議定書が自己について効力を生ずる日前にこの議定書に基づいて行われたいずれの国際登録についても、そのような国際登録による標章の保護の効果が及ぶ領域として当該国又は政府間機関を指定することを認めない旨を宣言することができる。
この条文が問われた枝 1問
誤り。違うのは「工業所有権の保護に関するパリ条約の当事国に限られる」の部分である。議定書14条(1)は、パリ条約の当事国のほか、一定の要件を満たす政府間機関も議定書の締約者になれると定めている。
議定書14条(1)は、(a)でパリ条約の当事国は議定書の締約国となることができると定め、(b)で、政府間機関についても、その構成国の少なくとも一国がパリ条約の当事国であり、かつ、その政府間機関がその領域において効力を有する標章の登録を行う広域官庁を有していることを要件に、議定書の締約者となることができると定める。議定書は国際登録によって各締約国の領域で標章の保護を確保する仕組みであるから、保護を与える側は国に限らず、欧州連合のように加盟国の領域全体に及ぶ商標を一つの官庁で登録している政府間機関も、締約者として領域指定の対象になり得るようにしたものである。したがって議定書の締結の主体はパリ条約の当事国に限られず、枝は誤りである。もっとも政府間機関の場合もその構成国にパリ条約の当事国があることが前提であり、パリ条約との結びつき自体は保たれている。

(a) 工業所有権の保護に関するパリ条約の当事国は、この議定書の締約国となることができる。
(b) 政府間機関は、その構成国の少なくとも一の国がパリ条約の当事国であり、かつ、その政府間機関がその領域において効力を有する標章の登録を行う広域官庁を有している場合には、この議定書の締約者となることができる。
1この議定書は、無期限に効力を有する。
2いずれの締約国も、事務局長にあてた通告によりこの議定書を廃棄することができる。
3廃棄は、事務局長がその通告を受領した日の後1年で効力を生ずる。
4いずれの締約国も、この議定書が当該締約国について効力を生じた日から5年を経過するまでは、この条に定める廃棄の権利を行使することができない。
5(a) いずれかの標章が、廃棄の効力を生ずる日においても当該廃棄を行う国又は政府間機関に係る領域指定を行っていた国際登録の対象である場合には、当該国際登録の名義人は、当該廃棄を行う国又は政府間機関の官庁に対し同一の標章に係る標章登録出願をすることができる。当該標章登録出願は、次の(i)から(iii)までの条件を満たすことを条件として、第3条(4)に規定する国際登録の日又は第3条の3(2)に規定する領域指定の記録の日に行われたものとみなし、かつ、当該国際登録についてその名義人が優先権を有していた場合には、当該名義人であった者は、同一の優先権を有するものとする。 (i) 標章登録出願が、廃棄が効力を生じた日から2年以内に行われること。 (ii) 標章登録出願において指定された商品及びサービスが当該廃棄を行う国又は政府間機関に係る国際登録において指定されていた商品及びサービスに実際に含まれること。 (iii) 標章登録出願が手数料の支払を含む関係法令上のすべての要件を満たしていること。 (b) (a)の規定は、廃棄が効力を生ずる日においても当該廃棄を行う国又は政府間機関以外の締約国に係る領域指定を行っていた国際登録の対象である標章につき当該国際登録の名義人が当該廃棄のために第2条(1)の規定に基づき国際出願をする資格を有する者でなくなった場合に準用する。
1(a) この議定書は、英語、フランス語及びスペイン語による本書1通について署名するものとし、マドリッドにおける署名のための開放が終了したときは、事務局長に寄託する。本書は、これらの3の言語をひとしく正文とする。 (b) 事務局長は、関係する政府及び当局と協議の上、アラビア語、中国語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語及び総会が指定する他の言語によるこの議定書の公定訳文を作成する。
2この議定書は、1989年12月31日まで、マドリッドにおいて署名のために開放しておく。
3事務局長は、締約国となることができるすべての国及び政府間機関に対し、スペイン政府が認証したこの議定書の署名本書の謄本2通を送付する。
4事務局長は、この議定書を国際連合事務局に登録する。
5事務局長は、締約国であり又は締約国となることができるすべての国及び政府間機関に対し、署名、批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託、この議定書の効力発生、この議定書の修正、廃棄の通告及びこの議定書に定める宣言を通報する。